2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K15974
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
村瀬 智子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80210037)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 精神看護学 / 教育方法 / メタ認識的学習 / 失敗経験 / 未来創成学 / 自己・非自己循環理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3年計画であるため、初年度は学際的観点に立ち、看護学及び看護学以外の文献・書籍の検討を進め、それらの検討結果について和文論文「学びと遊びの原点に迫る-自己・非自己循環の視点から-」(J. of Quality Education, 8, 1-29, 2017掲載許可あり)としてまとめた。内容は、複雑システム世界と複雑システム思考、未来創成学の展望、教育制度の課題と展望、失敗から学ぶ未来思考を取り入れた革新的教育の可能性、創造的思考と模倣的思考、教育の原点、教育改革の可能性、自己・非自己循環理論からの展望等である。 また、学際的な観点から未来創成学を目指す国際シンポジウムに参加し、“Developing an Educational Methodology based on Learning from Failure”というテーマで発表を行った。 具体的な発表内容は、Hierarchy of Experience of Failure, Dialectics and the Structure of Cognition, Paradigm shift from Dualism to Monism, Conception of Resilient Systems, Self-Nonself Circulation Theory, Meta-cognitive Learning Process, Passive and Active Education Methods 等であった。 以上の活動を通して、学習経験において見方を変革することで、学習上の失敗体験が成功体験へと変容する教育方法の開発について理論化を進めることができたことは意義深い。また、異分野における教育方法に関する知見を得ることができたので、それらの知見を統合させることを目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は3年計画であるため、平成28年度は学際的観点に立ち、看護学及び看護学以外の文献・書籍の検討を進め、それらの検討結果を論文「学びと遊びの原点に迫る-自己・非自己循環の視点から-」(J. of Quality Education, 8, 1-29, 2017掲載許可あり)としてまとめた。また、国際シンポジウムに参加し、“Developing an Educational Methodology based on Learning from Failure”というテーマで発表を行った。これまでの文献検討を踏まえ、失敗から学ぶ教育方法を開発するためのデータ収集を平成29年度に行うために、研究倫理審査を受審する必要がある。しかし、大学の管理運営業務や大学院生の研究指導等が重なり、研究時間の確保が難しかったため、研究倫理審査に関する書類の準備はこれからになる。今後は、研究計画を見直しながら整理し、倫理審査に向けて書類の準備を速やかに行い、平成29年度中に半構成的面接によるデータ収集及びデータ分析を終えることができるように計画的に研究を進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.研究倫理審査を受審する書類の準備を速やかに行い、失敗体験のメタ認識的学習過程という視点からデータ化できるように看護教員、看護学生、臨床実習指導者を研究協力者として半構成的面接を行い、学生の実習に関する失敗体験についての評価視点を統合して分析する。一見、相反する現象の基盤には、それらの現象を創発する同一の原理が存在しているという前提に立ち、この原理を浮き彫りにすることを目指す。 2.精神看護で用いられる癒しの技は、個人の経験知に埋もれ、言語化されにくい目に見えない技である。そのため看護学生は、これらの癒しの技について表面的理解に留まりやすく、精神障碍をもつ人への看護援助の意味を十分理解することが難しい。このような教育上の課題の解決に向け、異分野の知見を基盤とするために、生命・人体・精神・宇宙のつながりから意識・無意識と言動に影響を与える環境について、学際的視点から研究集会も開催していく。 精神看護学における失敗から学ぶ教育方法を開発する研究を遂行する上で、異分野の知見を基盤とすることが必要である。そのため統合的視野に立って未来創成学の構築を目指している研究者を研究分担者として加え、生命・人体・精神・宇宙のつながりから意識・無意識と言動に影響を与える環境について、学際的視点から研究集会も開催していくことを研究内容として追加する。
|
Causes of Carryover |
精神看護学における失敗から学ぶ教育方法を開発する研究を遂行する上で、異分野の知見を基盤とすることが必要である。そのため統合的視野に立って未来創成学の構築を目指している研究者を研究分担者として加え、生命・人体・精神・宇宙のつながりから意識・無意識と言動に影響を与える環境について、学際的視点から研究集会も開催していくことを研究内容として追加した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
学際的な研究集会の開催費用(交通費・宿泊費等)として使用する。
|
Research Products
(2 results)