2016 Fiscal Year Research-status Report
精神障がい者が当事者の視点から研究支援することのエンパワメントへの影響
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16K15977
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
桂川 純子 園田学園女子大学, 健康科学部, 准教授 (40369608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 香代子 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (00344599)
北岡 和代 金沢大学, 保健学系, 教授 (60326080)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / 当事者 / エンパワメント / プロジェクト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,精神障がい者がエンパワーする具体的な方策の1つとして,英国ロンドン大学で行われているSUGAR(Service User and Carer Group Advising on Research)を参考に,精神障がい者が精神保健福祉研究に参加するプロジェクトを試行し、エンパワメントの視点から評価することを目的としている。 平成28(2016)年度の計画は,①英国SUGARを訪問し、活動の開始および継続における課題を明らかにすること,および,②今後の活動で協力を得る精神障がい当事者メンバーのリクルート活動の準備を行うことであった。 ①について,事前に英国での医療制度,精神障がい者の状況,SUGARの概要や実施背景などを文献により情報収集した。9月に英国ロンドン大学を訪問し,許可を得てSUGAR meetingに参加した。精神障がい当事者メンバーの方々と交流し,SUGARに参加することについて意見交換を行った。運営メンバーとは,運営の実際や活動の開始および継続における課題について意見交換した。とくに,リクルートの方法や精神障がい当事者メンバーへの教育プログラムや配慮,継続していく上での課題とその解決方法案について確認した。その後,わが国で施行する場合の課題について,今日のわが国の精神保健福祉制度に照らしてどのように実施可能かを検討した。②について,英国訪問の結果も踏まえつつ,研究分担者や研究協力者と相談し,精神障がい者へのどのような配慮のもと実施していくかについて検討した。 今後の活動について,応募段階では英国よりSUGARの精神障がい当事者メンバーを招聘し,わが国の精神障がい当事者メンバーの方々と交流することを検討していたが,精神障がい者の特徴を検討すると同行者が必須と思われるが,交付された研究費では困難ではないかという課題が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に則り,平成28(2016)年度は,一定の成果を出すことができた。ただし,本件について,論文発表等の準備が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究責任者の通常業務の変更により,今後,研究実施に遅れが出る可能性がある。適宜,研究補助者などを雇用し,実施に遅れが生じないようにする。 応募段階で計画されていた英国から精神障がい当事者メンバーの招聘について,実施可能性を最終決定する必要がある。応募段階で目指していた当事者同士の交流によるエンパワメント環境については,Skypeなどの通信機器により補完したり,国内で協力者に依頼したりその他の方法を検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた状況としては,計画段階よりも旅費が少なく済んだためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
応募段階で計画していた英国からの精神障がい当事者の招聘が,交付額から検討すると難しいことが研究実施上の課題として挙がっているので,このことを補完するための物品購入や研究協力者への人件費・謝金で使用する計画とする。
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