2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluating a Project's Impact Where Mental Health Service Users Advise on Professional Research, by Presenting their Point of View, to Empower Service Users.
Project/Area Number |
16K15977
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
桂川 純子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (40369608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 香代子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (00344599)
北岡 和代 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (60326080)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神障がい / 当事者 / エンパワメント / リカバリー / 研究への助言 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、SUGAR(Service User and Carer Group Advising on Research)を、日本の精神障がい当事者(以下「当事者」とする)と行い,当事者のエンパワメントとの関連を検討した。 参加者は地域で生活する当事者で,協議会を通じてポスターで募った。1回2時間のセッションを3週間に1回,計4回行った。エンパワメントは当事者を対象としたエンパワメントスケール(Rogers et al,1998;畑,他,2003)により測定した。またプログラムの感想や自分自身の変化などについてインタビューを行い,質的帰納的に分析した。本研究は倫理審査を経て実施した(豊橋創造大学H2019005)。 参加者は,11名(男:女=5:6,平均年齢45.6±6.79)で,全員が精神障害者手帳を所持していた。SUGAR前後のエンパワメントスケールの合計得点の平均値は,前62.6±8.65,後60.8±12.97で、対応のあるt検定により分析したところ,差は見られなかった(p=.604)。質的分析は現在進行中であるが、自分自身の変化として「自分が思っている以上に適応能力があると思った」「これだったら自分もできる。もっともっと発信したらいいと思う」や、SUGARの意義として「自分の経験を話すことにとどまらない活かし方ができるのは、ステップアップだった」などが語られていた。 本研究を通じて、当事者らは、既存の制度を越えたボランティアにより≪ネガティブな考えからの解放≫や≪少し先の将来への希望≫などを得られていることがわかり、主体的な新しい社会参加の方法が求められていると考えらえた。英国当事者のエンパワメントにつながっていたSUGARを日本での展開したところ、エンパワメントへの影響は確認できなかったものの、当事者が社会参加する方法として意義深い方法であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)