2018 Fiscal Year Research-status Report
閉じこもりと精神症状に関する双生児研究 -国際比較による環境要因の検討-
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16K15978
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
乾 富士男 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80469551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (20584551)
本多 智佳 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (40625498)
加藤 憲司 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (70458404)
中谷 香江 畿央大学, 健康科学部, 助手 (20524979) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 双生児研究 / 遺伝環境交互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度にデータの使用を申請していたヘルシンキ大学のデータを受け取ることができたので,その解析を行った。その結果,予想していた結果とは異なり,過去の性格傾向と将来の認知機能に相関が認められなかった。また,遺伝要因と環境要因に分解しても,有意な結果を得られなかった。しかし,相関がないことを主張できるほどの十分なデータ数ではないので,他の解析方法を検討した。 その結果,表現型(性格)によって認知機能の遺伝率に違いがあること,すなわち遺伝ー表現型の交互作用を認めた。しかし,このような解析方法は前例がなく,結果の公表にはより慎重な検討が必要である。そこで,ヘルシンキ大学の研究チームと綿密な打ち合わせ,結果の検討を行うため,学会に合わせて6月にヘルシンキを再訪することにしている。 一方,大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンターにて収集している,高齢双生児を対象とした縦断データについては,すでに昨年度に学会発表済みである以下の知見について,論文作成のための詳細な解析を行った。得られている知見は次のとおりである。性格の一つである自己効力感と,身体症状(疲労感),精神症状(うつ症状)に関連する遺伝要因が二つあることが分かった。そのうちの一つはすべてに関連し,もう一つは疲労感とうつ症状に関連することが分かった。さらに,うつ症状だけを説明する遺伝要因は存在しない(先行研究と合致する)ことも示された。また,環境要因の相関は大きくないことも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
期間を延長はしたが,それは意見交換を行う予定の学会の開催が6月であるためである。すでに,データの取得,解析は終了しているので,おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り,すでにデータの取得,解析は終了している。したがって今後の予定としては,成果をまとめて論文として公表する予定である。ただし,その結果の解釈に必要な知見を得るための意見交換ができる機会が2019年度の6月にしか得られなかったため,期間を延長している。
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Causes of Carryover |
学会および研究打ち合わせのための海外出張が次年度の6月に予定されているため次年度に延長した。
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Research Products
(1 results)