2016 Fiscal Year Research-status Report
保健師の地域診断能力向上を目指したケースメソッド教育プログラムの開発
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16K15988
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (90381079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 史織 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (20710065)
山崎 明美 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (60299881)
奥野 ひろみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60305498)
高橋 宏子 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (80195859)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域診断 / ケースメソッド |
Outline of Annual Research Achievements |
現任保健師が身につけておくべき地域診断の知識や能力,課題の検討と,次年度以降に構築するケースメソッド教材の開発に向け,現任保健師を対象に,地域診断の実施状況,疫学や保健統計に関する知識,衛生統計資料の収集や分析状況などの実態把握のため,以下の2点を実施した。 ①長野県内の市町村保健師(新任期~中堅期)6名に対して、インタビューを実施し、地域診断の実施状況や現場で課題や困難と感じていることなどについて聞き取りを実施した。また、管理職に位置する県・市町村保健師4名に対して、地域診断に対する考え方や現任教育としての位置づけなどについて聞き取りを実施した。結果、地域診断の必要性は認識しているが業務多忙による実施困難、目的に沿って集められた量的データや質的データを活用した根拠に基づいた分析ではなく、保健師業務の中で得られた感覚に頼った分析だけになりがちであること、量的データや質的データの収集方法・分析方法の不十分な理解などの課題が示された。管理職からは、指導方法の難しさや日常業務の運営を優先し、地域診断の優先順位が低下しがちであるなどの意見が聞かれた。 ②インタビューより得られた実態や課題と,保健師教育の技術項目と卒業時の到達度なども参考に調査項目について検討を行い、地域診断の実施状況やOJT,OFF-JTの状況,疫学や保健統計に関する知識や統計解析ソフトの利用状況に関する項目などを含めた調査票を作成した。また、調査実施に向け、協力機関と調査方法や時期などの調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新任~中堅期の保健師および管理期の保健師に対するインタビューは年度計画に従い実施できており、順調に進んでいる。しかし、アンケート調査については、実施に向けた準備がほぼ整っているが、調査協力機関と調査方法や時期についての打ち合わせ・協議の結果、次年度に調査時期を変更することとなり、計画に多少の誤差が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に基づき、ケースメソッド教材作成を試みる。その際、長野県内の行政保健師にケースメソッド教材作成の協力を依頼し、現場の意見・意向などを反映させる。また、量的データを効率かつ効果的に活用する基礎能力も身につけられるよう、統計解析ソフトやデータの見える化に有効なGISの基本的な操作なども取り込んだ教材作成を進める。
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Causes of Carryover |
アンケート調査実施時期を平成28年度内に予定していたが、調査方法や時期について、調査協力機関との打ち合わせ・協議した結果、調査時期を平成29年度に変更することとなった為、アンケート調査に関わる郵送費やデータ入力費等が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額として持ち越した予算は、平成29年度請求額とあわせて時期が変更となったアンケート調査実施の為の郵送費、データ入力費等に使用する。また、当初計画であるケースメソッド教材の作成に向け使用する。
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