2016 Fiscal Year Research-status Report
3D-GISを活用した住民参加型地域診断の革新的モデルの構築
Project/Area Number |
16K15993
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田高 悦子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30333727)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 地域 / 診断 / 地理 / 住民参加 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
地域で生活している人々ならびに地域全体の健康を目指した活動を展開していくためには、地域の全般的な把握とともに地域の健康課題の発見や課題達成のための方策を打ち出す地域看護診断(地域診断)の理論及び技術が必須である。地域診断の学術的背景については、欧米では、民族学に基づくGENESIS (General Ethnographic and Nursing Evaluation Studies In the State,1974)を源流とし、その後、ACTION (Assessing Communities Together in the Identification Of Needs,1996)に継承されている。国内では、金川・田髙ら(地域看護学診断,東京大学出版会2000)により、①統計資料の分析、②社会踏査、③地区踏査(民族学的アプローチ)からなるモデルが提唱され、広く利用されている。本研究の全体構想は、地域診断の理論及び技術の格段の高度化・効率化である。その構想の中での本研究の具体的な目的は、3D-GISを活用した住民参加型地域診断の革新的モデルの構築である。これまでのところ、3D-GISに関する研究は、主に地理学もしくは地理疫学の分野で行われており、地域診断への採用例は、感染症の発生解析や診療圏の所在分析など、都道府県別あるいは広域行政区域を単位とする、特定健康課題に関する限られたものがあるに過ぎない。またこれまでのところ、地域診断における地域住民は、重要な情報提供者としてしばしばその役割を担ってきた。しかしながら地域住民の知恵や想像力が切り開く地域主体の健康課題の解決は本来的に重要である。以上より、初年度は、地域診断のこれまでの国内外の報告についてレビューを行うと同時に、研究組織におけるGISの手技の修得および同手技を活用したモデル地域におけるシュミレーションを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、地域診断のこれまでの国内外の報告についてレビューを行うと同時に、研究組織(研究代表者,連携研究者)におけるGISの手技の修得および同手技を活用したモデル地域(横浜市)におけるシュミレーションを行うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究組織(研究代表者,連携研究者)における国内外における文献検討をとおして、地域看護診断の概念の精緻化をはかるとともに、3D-GISならびに住民参加型のキーワードに関連する文献、資料、報告、用語や項目の収集・集約を行い、モデルフレームワークを作る。
|
Causes of Carryover |
今年度文献レビューにおいて必要な資料収集、GISの基本的な手技獲得については、既存のシステムやソフト等を用いることができたため当初予定額を下回る結果であった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は今年度の文献レビューに基づき、地域看護診断の概念の精緻化とともに、住民参加型の地域看護診断のモデルフレームワークを作成するため、3D-GISならびに住民参加型のキーワードに関連する専門的な文献、資料、報告、用語や項目の収集・集約や、フレームワークを開発するために新たに必要とされるソフト等に使用する。
|