2016 Fiscal Year Research-status Report
看護師と介護職の職場のソーシャルキャピタルを高める管理者向け教育プログラムの開発
Project/Area Number |
16K15996
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
栗岡 住子 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 客員研究員 (20736516)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 職業性ストレス / 職場のソーシャルキャピタル / 看護師 / 介護職 / 離職意思 / マネジメント / リーダーシップ / 管理職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師及び介護職の高い離職率を改善することを目的に、離職の要因である職業性ストレスを緩和する職場のソーシャルキャピタル(職場における助け合いや、相互理解など)を高めるための管理者向けのメンタルヘルス教育プログラムを開発することである。計画は、初年度に調査票及び免疫指標のデータ解析及びフォーカス・グループ・インタビュー(FGI)により、職場のソーシャルキャピタルを高める要因を検討し、1年目の結果をもとに、2年目に経営学と医学・心理学の理論を統合した、職場のソーシャルキャピタルを高める管理者向け教育プログラムを開発し、2・3年目にプログラムを使った介入(ランダム化比較対象試験:RCT)を実施して、プログラムを評価する予定である。 1年目である本年度は、予定どおり関西地方の医療法人に勤務する20 歳以上の看護師約626 名(師長45 名を含む)、高齢者介護関連施設に勤務する20 歳以上の介護職393 名(管理職124 名を含む)、合計1021名から調査票を回収した。免疫指標については研究費の財源が限られているため、高齢者介護施設の1事業所171名に実施した。フォーカス・グループ・インタビュー(FGI)については、中間管理職(課長・係長:医療法人 18名、高齢者介護施設 30名)を対象に、1グループ6~8人に分けて、「1.マネジメントでは、何を大切にしているか?」、「2.マネジメントで苦労していることは何か?」、「3.職場のソーシャルキャピタルを高めるために、どのような工夫(マネジメント)が考えられるか?」の3項目をテーマとして実施した。 調査票の集計結果及びFGIのまとめについては、事業所の看護師及び介護職の責任者に報告し、個別の結果については研究協力者個人に返却した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた、ベースライン調査に関する一連の計画(調査の準備・実施、データ登録・解析、結果の返却と報告)を遂行することができたので、おおむね順調に進展している。しかし、解析はまだ一部に留まっており、論文化が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的には、おおむね申請時の予定通り進める予定である。 1. 職場のソーシャルキャピタルを高める教育プログラムの調整と実施: FGIのデータを元に開発した教育プログラムを調査事業所の責任者等に提示し対象者に合わせて、プログラムを微調整し、RCTについても了解を得る。介入群の管理者84 人に教育を実施(平成29年8~9月)し、平成30 年度には対照群に教育を実施する。 3. 質問紙調査及び免疫指標の測定を実施(平成29・30年11~12月):ベースライン調査と同時期(健康診断時)に質問紙調査及び免疫指標の測定を行い解析する。 4. データ登録と結果評価:質問紙調査及び免疫指標の測定データを登録後、クリーニングおよび統計解析を行い、29年度については、職場のソーシャルキャピタルを高める教育プログラム実施後の短期的な介入効果について評価調を行う。30年度については1年後の介入効果を評価する。また、調査対象事業所及び協力者に結果を返却し、協力の継続を依頼する。 5.データ解析と学会発表及び論文化(平成30年2月):ベースラインデータと介入後のデータを比較・解析して、職場のソーシャルキャピタルの状況の変化を観察し、短期的な効果については平成30年、長期的効果については平成31年に国内外の学会で成果発表するとともに、論文を投稿する。
|
Causes of Carryover |
未使用額:246円 本研究に使用する物品等を購入するには十分な額ではなく、次年度の物品等の購入に利用することを検討したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分に追加して使用を希望する。
|
Research Products
(7 results)