2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an index of respite care for family caregivers of patients with intractable neurological and muscular diseases using ICF
Project/Area Number |
16K15997
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小松 雅代 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80726315)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際生活機能分類(ICF) / 難病 / 家族介護者 / レスパイトケア / 環境因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はICFコードを用いて難病患者の家族介護者のレスパイトケアを指標化するものである。最終年度では、家族介護者のレスパイトケアの必要性を評価する指標としてADL評価はBarthel Index(BI)、Lawton Index(LI)、心理面の評価はZaritsの介護負担尺度(ZR)、うつ状態評価尺度Geriatric Depression Scale(GDS)について、ICFコードによる分析を深めた。さらに、ICFコードは、ICDとの連動が可能なため、疾患別による家族介護者のレスパイトケアに関する分析を行えると考え、難病法による指定難病のうち、神経・筋疾患86疾病のうち30疾病の臨床調査個人票(臨個票)の項目においても、ICFコードによる分析を行った。 評価尺度の下位尺度についてICFコーディングを行い、評価尺度の構成を分析した結果、ZR(下位尺度22項目)は、心身機能(ICF構成要素:b)3項目、活動と参加(d)のうち対人関係2項目、社会参加1項目、環境因子(e)である生産性は1項目であった。ICFコードとの該当率は31.8%であった。BI、LI、ZR、GDSは心身機能(b)と活動と参加(d)の項目で占め、下位尺度の90%以上がICFコードに該当した。 神経・筋疾患30疾病の臨個票の項目すべてのICFコーディングを行った結果、疾患特有の心身機能(b)や身体構造(s)、活動と参加(d)の移動能力やセルフケアに該当する項目が多く存在した。しかし、環境因子(e)に関する項目はほとんど該当しなかった。 今回、難病患者と家族介護者を評価する項目について世界的に共通した統計分類であるICFコードを用いて分析したことで、臨個票や介護負担に関する尺度の構造が明らかとなった。そして、環境因子を含めた評価項目がごく少数であることから、環境因子を含めた評価指標の作成が必要であることが示唆された。
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