2017 Fiscal Year Research-status Report
保健師教育におけるディープラーニングを育てるコースデザインとその効果
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16K15999
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
原田 静香 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10320714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 しのぶ 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (60225844)
中山 久子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30531438)
岡本 美代子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30735858)
齋藤 尚子 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90621730)
南 唯公 (中西唯公) 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 講師 (50582110)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 公衆衛生看護学 / 地域診断 / ディープラーニング / ICEモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、保健師教育における学生の学習プロセスをディープラーニングへと導くためのコースデザインの開発を行い、その効果を測定するものである。 コースデザイン案に関しては、公衆衛生看護学の保健師活動方法において基本的な内容である「地域診断」を選択した。それは、支援の対象者や担当地域を把握するために始めに求められる基礎的な学習内容であることに加え、地域診断は、多角的な情報を集め、対象の特徴を縦断的に解析するプロセスを踏むうえで、学んだ知識を関連付けて理解したり、情報を精査したり、問題を見出して解決策を考えたり、自身の考えを創造したりといった学び方が必要であり、学生がディープラーニングを行うことが必要不可欠であると考えたからである。開発したコースデザイン案は、協働学習技法・ポートフォリオ・ICEモデル等を導入している。 平成29年度の実績としては、開発したコースデザイン案を実際に用いて講義と演習を実施した。開発したコースデザインがディープラーニングを導くものとなっているかを評価するために、コース終了後に受講生への調査を実施した。開発したコースデザインによる学習プロセスの中で、学生がどのような学びの認知プロセスがあったのかを明らかにし、ディープラーニングを踏襲した学習経験を経ているかを確認するものである。 調査対象者は本研究にて開発したコースデザイン案による地域診断演習を受講し、本調査への協力に同意が得られた者とした。調査期間は平成29年8月~。調査方法は半構成的インタビュー調査法を実施し、対象者は15名であった。分析方法はグラウンデッドセオリー法を用いている。 現在分析を進めているところであるが、抽出されたコードの中には「学んだ内容のつながりに気づく」や「浅い認識に気づく」「住民の立場で解決策を考える」といったディープラーニングを踏まえたkey wordsが散見されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度当初の予定であったコースデザインの開発と実施は予定通りに進展している。しかし、コースデザインの効果測定を実施するにあたり、研究者間で分析方法を再検討したところ、既存の尺度や学習評価等による量的調査ではディープラーニングの到達を測定することは出来ないのではないかとの結論に至った。そこで研究者間にて再検討の結果、効果測定には質的な分析を用いることした。 質的な効果測定としては、開発したコースデザインによる演習を経験した学習者を対象に、半構成的インタビュー調査を実施し、分析にはグラウンデッドセオリー法を用いることとした。この分析方法を用いる理由としては、グラウンデッドセオリー研究が量的研究では通常不可能である経験やプロセスの幅と深さを探究する研究法とされていることでる。開発したコースデザインによる学習を経験した者が、その学習過程においてディープラーニングに到達しているのか、またはその到達過程でどのような経験をしているのかを明らかにすることが出来ると考えたためである。 現在分析を進めているところであるが、分析途中で有り、理論的飽和を確認するに至っておらず、研究期間の延長を行ったところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、分析を進めている。研究期間も1年間の延長が認められたことにより、共同研究者間で研究会を重ね、理論的飽和を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
現在、分析を推進中である。平成29年度中に計画していた結果公表までの予定が達成できないと予測された時点で、1年間の研究期間の延長を申請していた。そこで、平成30年度においても分析を進めていくために、当該助成金を研究会の実施や再調査の実施(未定)に当てる計画として、本年度使用分の研究費とする。
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