2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reserch on improvement of entrustment rate and support of foster parents based on interviews and their positive emotions
Project/Area Number |
16K16002
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
石井 陽子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20737390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 早苗 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (00448797)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 里親 / 里親家族 / 肯定的感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、養育里親を対象に、2つの課題、すなわち課題1.里親の抱える困難さ、里親を決意した理由、里親として里子を受け入れるに至る家族間協議の過程、そして里親となっての気持ちを明らかにすること、課題2.里親の肯定的感情に影響する要因を明らかにすることを目的に、養育里親を対象としたインタビュー調査およびアンケート調査に取り組んだ。 最終年度である2019年度は、これら2つの目的に沿って実施してきた2018年度までの研究結果について、論文投稿や学会、研究会等での成果公表に重点的に取り組んだ。 課題1について、養育里親を対象としたインタビュー調査から、里親になるには、なりたいという動機の先に、家族間でその思いを共有する段階が必要であり、里親家族は家族として里子を支えるという大きな決意のもと成り立っていることが明らかとなった。また、里親が「里親になってよかった」という肯定的感情に至るには、葛藤や苦悩しながらも、踏みとどまる選択を行うという困難の経験と、乗り越えたという思いが影響していることが示唆された。これらの事柄は、新たに里親を目指す人たちのみならず、里親支援者が里親への理解を深める一助となると考える。 課題2について、インタビュー調査からは、困難を乗り越える過程には児童相談所等の専門機関によるフォーマルサポートに加えて、家族、里親仲間、近隣住民等多くのインフォーマルサポートの存在があった。また、養育里親を対象としたアンケート調査では、養育里親の活動満足感の関連要因として、養育里親歴5年未満や現在里子を受託していること、さらに、居住地域に居心地よいと感じ、地域や他者との交流があること等が明らかとなった。このことからは、養育里親を初期段階から継続して支援を行うこと、また、里親が暮らしやすい地域づくりが里親の満足感につながり、ひいては受託率向上につながると考えられた。
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