2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K16007
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野崎 隆之 山口大学, 創成科学研究科, 助教 (70707497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低密度パリティ検査符号 / 符号化アルゴリズム / 並列アルゴリズム / 符号理論 / アンサンブル解析 / ハイパーグラフ / カットサイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては,低密度パリティ検査(LDPC)符号に対する並列符号化アルゴリズムの最大並列数の解析を行った.第一に,最大並列数が符号を定義するパリティ検査行列に対するハイパーグラフ表現のK均等カットサイズに依存することを示した. 研究の第一歩として,正則LDPC符号アンサンブルから定義されるハイパーグラフアンサンブルを導入し,このハイパーグラフアンサンブルに対して2均等カットサイズがsとなるようなハイパーグラフの個数の期待値を導出し,符号長が十分に大きいときの漸近解析をした.2均等カットサイズがsとなるようなハイパーグラフの個数の期待値は,ハイパーグラフの2部グラフ表現に着眼し,カットサイズがsとなるようなハイパーグラフに対応する2部グラフ表現を考察し,その総数を数え上げることによって導出された.また,漸近解析では,LDPC符号の符号語重み分布の導出法と同様に,相対カットサイズ毎にハイパーグラフを分類し,与えられた相対カットサイズとなるハイパーグラフの個数の符号長に対する振る舞いを調べることで典型最小相対カットサイズの導出を行った.その結果として,符号化アルゴリズムが2並列で動作するための必要条件が明らかになった.これらの成果は国際会議ISIT2016にて発表した.
さらに,この結果を拡張し,ハイパーグラフアンサンブルのK均等カットサイズの期待値を導出し,漸近解析を行った.その結果,列重みが2となるLDPC符号アンサンブルにおいては,符号長が十分に大きいときに符号化アルゴリズムの並列数が任意に大きく取れることがわかった.一方で,列重みが3以上のLDPC符号アンサンブルに対しては,並列数に上限があることがわかった.これらの成果は国内会議SITA2016にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
符号化アルゴリズムの最大並列数の解析については,当初予定していた2並列可能な必要条件の導出のみならず,K均等可能な必要条件の解析まで達成し,当初の予定を上回る進捗を得られた.
一方で,並列符号化アルゴリズムを高性能なLDPC符号のクラスに対して特殊化する研究については,現在も進行中であり,当初見込んでいた成果を得ることはできていない.
本研究の全体の進捗を総合して判断すると,当初の予定通りに研究が進んでいると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られている成果を論文としてまとめ,発表する. また,並列符号化アルゴリズムを高性能なLDPC符号のクラスに対して特殊化する研究を継続して行う.
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Causes of Carryover |
為替レートの変動により,論文購読費と国際学会参加費が当初の予定よりも少なくなったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の論文購読費に使用する.
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Research Products
(5 results)