2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16007
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野崎 隆之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (70707497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 誤り訂正符号 / 符号化法 / 並列計算 / LDPC符号 / 符号理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては,第一に多元低密度パリティ検査(NB-LDPC)符号の並列符号化法について検討した.NB-LDPC符号は列重みが2のパリティ検査行列で定義されるとき,高い復号性能を有することが知られている.したがって,このようなNB-LDPC符号に対象を絞り,並列符号化法を研究した.研究に先立ち,(手法1)ブロック対角化による並列符号化法をNB-LDPC符号に拡張した手法と(手法2)HuangとZhuによって提案されたNB-LDPC符号の符号化法を並列化した手法を数値実験的に比較した.その結果,手法2の方が並列計算に適していることがわかった.この結果から,手法2を改良することで更なる符号化の高速化を目指し,そのような手法を提案した. 第二に,研究の対象を広くし,誤り訂正符号の効率的な符号化について,2種類の研究をした.その内の一つの研究は,二元Shifted VT(SVT)符号ならびに多元SVT符号の組織的な符号化法の提案である.SVT符号は削除の生じた範囲に関する情報をもとに単一の削除を訂正できる符号であり,バースト削除訂正符号の構成に用いられる.この研究では,Abdel-GhaffarとFerreiraによって提案された二元VT符号の組織符号化法とAbroshanらによって提案された多元VT符号の組織符号化法をそれぞれSVT符号へ拡張し,その目標を達成した.もう一方の研究は,シフト演算を利用したパケット消失訂正(SXOR)符号に対する組織符号化法を与えた.SXOR符号は低計算量で符号化・復号が可能な符号である.本研究では,SXOR符号を拡張し,組織的な符号化が可能な符号である組織的V-SXOR符号を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一部のサブテーマについては,当初の予定以上に進んでいる.一方で,一部のサブテーマについては,論文として成果をまとめることが遅れている.上記の二点を総合して,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
多元低密度パリティ検査(NB-LDPC)符号の並列符号化法については,符号化の前処理が正常に終了しない場合が存在している.この現象が生じる理由を明らかにし,符号化の手法を改良する必要がある.
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Causes of Carryover |
平成30年度中に成果をまとめ,論文として掲載する予定であったが,予定より遅れたため,次年度使用額が生じた. (平成31年度の使用計画)英文校正費50千円,論文投稿費100千円(不足分については運営費交付金などと合算して使用する)
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Research Products
(3 results)