2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16008
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Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
大久保 文哉 高千穂大学, 経営学部, 准教授 (40608824)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 化学反応オートマトン / 決定性 / 分解 / 計算モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまでの研究で開発してきた化学反応系の計算モデルである化学反応オートマトン(CRA)について、決定性計算の性質を明らかにし、化学反応系の設計手法の開発に貢献することである。CRAは、化学反応系における反応系列の性質を明らかにするため、多重集合書き換え系による言語受理モデルとし て定義されている。CRAの決定性計算の性質を明らかにすることは、計算理論・化学反応設計論の両側面から重要な課題である。 2019年は当初予定では研究計画の最終年度であったため、まず、これまでの研究の総括を行った。特に、CRAにおける決定的計算と可逆的計算の定義とその性質、また種々のCRAとCRT(Chemical Reaction Transducer)の合成・分解理論について、これまでの研究で得られた知見をまとめ、人工知能学会合同研究会2019(第33回ナチュラルコンピューティング研究会)にて招待公演を行った。さらに、以前より研究を進めていた、抑制物質を含む反応を含むようなモデルであるReaction Automata等の関連する他の多重集合計算系における研究成果との比較を含むサーベイを、国際学術雑誌に投稿中である。 また、前年度に提案したCRTの合成・分解の定義に基づいて、実際に分解を行うための具体的なアルゴリズムについて探究を行った。特に既知の類似・関連研究であるペトリネットの分解や行列分解等におけるアイデアを参考に、分解によってCRTのある尺度における複雑さを削減できるような手法を模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が2020年度に研究機関を変更したため、その準備を含む業務によって、研究推進・発表等の計画に遅延が生じたため、当初の計画を延長した。 前年度の報告における「今後の研究の推進方策」で示していた、分解におけるCRAの複雑さを削減するための具体的な方法について提案するには至らなかった。しかし、既知の関連研究から本モデルに応用可能であると考えられるアイデアを収集することができたため、来年度はその探究を行いたい。また、これまでの研究の総括については、外部発表することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果によって、CRTにおける分解の厳密な定義や、分解可能であるための十分条件等を示しているが、具体的な分解アルゴリズムについて提案するには至っていない。既知の類似・関連研究であるペトリネットの分解や行列分解等の知見を参考に、化学反応系における有用な分解・合成手法のモデルとなるような分解アルゴリズムを探究していく。 また、2019年度に行ったこれまでの研究のサーベイにおいて、トラディショナルな計算モデルとして重要である文脈自由文法(また、等価なモデルであるプッシュダウンオートマトン)とCRAの類似性が様々な観点から明らかになった。これらの結果から、文脈自由文法とCRAを包括するような計算モデルを構築することは理論的に重要であると考えられる。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス流行の影響により、国際会議が延期し、次年度と合併しての開催となる予定であるため 、2019年度での海外出張をキャンセルした。 また、研究代表者が2020年度に研究機関を変更したため、その準備を含む業務によって、研究推進・発表等の計画に遅延が生じたため、当初の計画を延長した。 次年度の予算は、論文発表準備における英文校正等の経費や、社会情勢等の状況が許せば学会への出張費等に充てる予定である。また、研究打ち合わせや、場合によっては研究発表をオンラインで行うための機材が必要となる。
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Research Products
(1 results)