2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Theory of Combinatorial Optimization with Applications to Robust Network Design
Project/Area Number |
16K16010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 佑輔 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (40581591)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルゴリズム / 組合せ最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,頑健なネットワークの設計において生じる組合せ最適化問題に対する理論研究を行なった.研究対象は特定のネットワークや特定の状況に特化するものではなく,できる限り汎用性の高い問題設定を扱うことを試みた. 本研究で得られた主な成果として「重み付き線形マトロイドパリティ問題に対するアルゴリズム」と「最小スパナー問題に対するアルゴリズム」が挙げられる.前者の成果は,本成果は30年以上未解決だった問題を完全解決するものである.本成果は多項式時間で解ける問題の限界を推し進めるものであり,ネットワーク上の最適化問題を含む様々な組合せ最適化問題に対する多項式時間アルゴリズムの設計に繋がり得るものである.この結果は,国際的に高く評価されており,理論計算機科学のトップ会議である STOC で Best Paper Award を受賞している.後者の成果は,与えられたネットワークから距離を近似的に保ちつつ辺を減らす問題に対して効率的アルゴリズムを与えるものである.2018年度には,どの2点間の距離も元の距離の高々t倍にしかならないという制約の下でできる限り多くの辺を取り除く問題に対するアルゴリズムを与えたが,この制約は現実的にはかなり緩い制約となっている.2019年度には,最小加法的スパナー問題と呼ばれる,どの2点間の距離も元の距離に比べて高々tしか増加しないというより現実的な制約の下で辺を取り除く問題に対して効率的アルゴリズムを与えている. その他にもネットワーク設計に関連する多数の組合せ最適化問題に対して,効率的アルゴリズムの設計・解析を行なった.
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