2016 Fiscal Year Research-status Report
調査データの質向上のための不適切回答者抽出方法の開発
Project/Area Number |
16K16013
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
尾崎 幸謙 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50574612)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 心理学調査 / 指示項目 / 矛盾回答 / 統計モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自記式の質問紙調査で得られるデータの質を向上させるために,不真面目な回答を行う対象者を発見するための汎用的な方法を考案することである。そのために,①不適切な回答であることを示す回答パターンを見つけ,②その回答パターンによって不真面目な対象者であることを予測するための統計モデルや機械学習による方法を考案する。 不真面目な対象者は指示項目や矛盾回答によって発見できるが,指示項目や矛盾回答を調べるための項目を含めずに発見できる方法を開発する。これらの項目がなければ調査票の項目数を減らすことができ,不真面目な回答を減らすことにつながる。自記式の質問紙調査によってデータ収集を行うすべての研究に対して,データ分析前のチェックツールとして本研究の成果を利用することができる。 H28年度は,Journal of Experimental Social Psychology誌,Journal of Marketing Research誌など,心理学・経営学・調査科学・統計学系の学術雑誌を中心に文献研究を行った。また,周囲の研究者に対するインタビュー調査によりそのような回答パターンについて知見を深めた。 これを踏まえ,H29年度はそれらの回答パターンが指示項目の無視や矛盾回答を予測可能であるか調べるための心理学調査を実施し,統計モデルあるいは機械学習による予測モデルを構築する。また,それらの回答パターンが心理学調査以外にも汎用的に適用可能であるか調べる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査を行う際には,事前の準備が最も大切である。H28年度はこの点について研究活動を行うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
事前準備が整ったので,心理学調査を実施して,指示項目の無視や矛盾回答を予測する回答パターンを発見する。その後,別の調査を実施して,当該回答パターンや発見のための統計モデルが汎用的なものであるか調べる。
|
Causes of Carryover |
H28年度は質問紙調査実施前の準備期間に充てたため,質問紙調査費用がかからなかったことが理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度に2回のWeb調査を実施する予定である。
|