2016 Fiscal Year Research-status Report
データセンタにおけるPCMの寿命制御方式に関する研究
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16K16027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 貴継 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (80756239)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Phase Change Memory / データセンター / ジョブスケジューリング |
Outline of Annual Research Achievements |
コンピュータの主記憶(メモリ)にPCM(Phase Change Memory)を用いた論文がいくつか発表されていることから,これらの論文の調査を実施した.調査の過程でアプリケーションのメモリへのアクセスパタンが重要であることを改めて認識し,当初計画には含めていなかったアプリケーションの特性の調査も加えて実施することとした. PCMへのメモリアクセスパタン(データの読み出しおよび書き込みの順序)はPCMを用いたサーバ上で実行されるアプリケーションに依存する.そこで,PCMを用いたサーバ上で実行されるアプリケーションとして,グラフ解析プログラムや画像解析プログラムを想定した.プログラムの振る舞いを解析してその成果を論文にまとめ発表した.また,グラフ解析プログラムのメモリアクセスの特徴を解析した.メモリアクセスの特徴に応じてメモリへのアクセス方式を変更することでアプリケーションの性能が向上することを確認した.これらの成果を論文としてまとめて発表した. PCMの性能を評価するために仮想マシン上にシミュレータを実装して実験環境を構築した.シミュレータをすべて実装することは時間がかかることから,シミュレータにはソースコードが公開されているDRAM向けのものを流用した.DRAM向けのシミュレータを改良することでPCMのシミュレーションが可能になるようにした.構築した実験環境を用いてスケジューリング方式に関して開発を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画には含めていなかったアプリケーションの解析を実施したが,シミュレータを用いた実験環境の構築を実施した.また平成28年度に予定していたスケジューリング・アルゴリズムの開発も進めていることから上記のように判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
構築したシミュレーション環境を用いてスケジューリング・アルゴリズムの開発を進める.平成29年度は複数のスケジューリング・アルゴリズムの開発を行い定量的に評価する予定である.また,アプリケーションのメモリアクセス特性の解析も重要であることから,複数のアプリケーションに対するアクセス解析も同時に進める予定である.
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Causes of Carryover |
平成28年度は計算機を購入する予定であったが,研究を進める過程ではシミュレータの実装等には既存の計算機で代用可能であることが分かった.そこで平成28年度の計算機の購入を取りやめ,平成29年度により大規模な実験環境が必要と判断された時点で購入することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,繰越分を含めて主に実験環境の拡充のための物品費および学会発表等に必要な旅費として計上することとし,適切に執行する.
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Research Products
(5 results)