2017 Fiscal Year Research-status Report
OSSとコミュニティの共進化に基づくソフトウェア信頼性の理解と操作
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16K16037
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
伊原 彰紀 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40638392)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オープンソースソフトウェア / ソフトウェア信頼性 / リポジトリマイニング / リリースエンジニアリング / ソフトウェアエコシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,オープンソースソフトウェア (OSS) の利活用促進に向けて,OSSの信頼性を理解するためのOSS信頼性成長モデルの開発,及び,開発者と製品の共進化によるソフトウェアの信頼性の変化を捉える信頼性成長シミュレーションの開発を目指している.OSSは,リリース直後にダウンロード数(信頼性)が増加し,増減を繰り返しながら徐々に収束する.ダウンロード数が収束するまでに至る速度はOSS,バージョンによって異なる. 平成29年度は,OSS信頼性成長モデルの開発に取り組んだ.具体的には,ソフトウェア再利用(特にソフトウェアライブラリの再利用)後に,ソフトウェアの不具合,依存関係のトラブルが原因でバージョンダウンが発生するパターンを明らかにし,再利用後に問題が発生しない可能性が高いソフトウェアの推薦モデルを開発した.提案したモデルは,同一機能,または,類似機能を有するライブラリ選択の効率化を実現した.加えて,OSS信頼性成長過程に影響する不確実性要素として,OSS開発プロジェクトにおける不具合以外の開発状況を明らかにするメトリクス(開発者の作業量,プロダクトの変化量)を提案した.開発状況メトリクスを用いた信頼性予測モデルは,不具合発見後,2週間以内の修正作業を見積もるために効果があることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,本研究申請時の計画通り,OSS信頼性成長モデルの開発,信頼性成長過程に影響する不確実性要素の分析,及び,不確実性要素に基づくOSS信頼性成長モデルの拡張に取り組んだ.OSSプロジェクトの開発データをケーススタディとしてモデルの評価を行った結果,同一機能,または,類似機能を有するライブラリ選択の効率化を実現した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に開発したOSS信頼性成長モデルを用いて,OSS信頼性成長シミュレーションモデルを開発する.具体的には,開発スケジュールに応じて開発状況メトリクスのパラメータを操作したOSS信頼性成長モデルの出力結果を開発者に伝えることにより,ソフトウェア開発速度の操作の実現を目指す.OSS信頼性成長モデルの出力結果を開発者に伝える方法としては,現在ソフトウェア開発プロジェクトで使用されるバージョン管理システムGitHubで運用するボットを開発しており,ボットを活用してシミュレーションを実現する予定である.
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