2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K16039
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
前澤 悠太 国立情報学研究所, 先端ソフトウェア工学・国際研究センター, 特任助教 (90759771)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソフトウェア工学 / ソフトウェアテスト / 自動プログラム修正 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活基盤として利用されるWebアプリケーションの開発において、ソフトウェア開発者(以下、開発者)が欠陥を十分に検出・除去(テスト・デバッグ)することが重要である。先行研究では、人工的に欠陥を作り(欠陥作成方法を変異操作と呼ぶ)テストの検出能力を測定する変異解析に取り組んできた。変異解析は欠陥を十分に検出するテストの実施に役立つが、開発者は検出された欠陥を正しく除去する必要があり難しい。本研究では、Webアプリケーションの欠陥を自動的に除去する自動プログラム修正手法を提案する。提案手法は「変異解析における欠陥作成の逆操作(デバッグ操作として定義)は欠陥を除去できる」という着想に基づき、正しく欠陥を除去できるデバッグ操作を効率的に探索する。提案手法を実装したプロトタイプツール(RevAjaxMutatorと呼ぶ)の開発を目的とする。 平成28年度では、次の3項目において研究を実施した。 (1) 近年のWebアプリケーションはAjaxと呼ばれるクライアント側非同期技術を用いて応答性を向上させている(以下、Ajaxアプリと呼ぶ)。Ajaxアプリに有効な変異操作を精査し、それらが埋め込む欠陥を除去できるデバッグ操作を定義した。 (2) 次に、WordPressのプラグインアプリケーションにおいて実欠陥による障害を再現し、これら定義したデバッグ操作が正しく欠陥を除去できることを確認した。 (3) また、当初は平成29年度に実施予定であった、効率的な修正空間探索について、Ajax技術の特徴に基づく手法を実装し、予備実験において現実的な時間内で正しいデバッグ結果を開発者に提示できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通以上に、ツールの実装を進めることができ、オープンソースとして広く一般に公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
提案ツールの有用性・実用性を実証するため、産学連携を通して適用事例を積み上げていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究成果を翌年度に論文募集する国際会議に投稿するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
得られた研究成果を国際会議に投稿する計画である。
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