2017 Fiscal Year Research-status Report
無線オープンイノベーションのための信号処理クラウドプラットフォーム
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16K16042
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
川喜田 佑介 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (30468540)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ユビキタスコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ブラインドスペクトラムセンシングと無線規格判別を行うことで、不特定多数の無線信号を含む広帯域を対象とした探索的なデータ解析をクラウドプラットフォーム上で実行できる情報基盤の実現を目指した。具体的には、スペクトラムセンシングをクラウドプラットフォーム上で実行するためスケールアウト可能とすること、無線規格に依存しない特徴量による無線規格判別を可能とすること、クラウドプラットフォーム上で無線信号処理を実行するため、信号処理統合環境のユーザインタフェースおよびデータ管理機構を処理主体から分離し動的構成変更可能にすることを課題として取り組んだ。センシングのスケールアウトについて、センシング処理をマルチステージとすることで、1ステージ目に圧縮センシングの適用し転送サンプル数を抑えながら検討精度よく信号を検出する手法を検討した。本成果については、IEEE CSPA2018に採録され発表した。無線信号の判別に関連する成果として、信学論(B)研究速報およびIEEE WF-IoT2018に採録され発表した。スペクトログラム特徴量による無線規格判別について、スペクトログラム(時間、周波数、信号成分の強さの3次元グラフ)を利用した特徴量を用いて、逐次学習アルゴリズムであるRBF Neural Networkによって信号を判別する手法について、特徴量に関する前処理が結果に影響を及ぼすことを実験的手法により明らかにした。本成果についてAPCC2017に採録され発表した。ユーザインタフェース分離と動的構成変更について、代表的なオープンソース無線開発環境であるGNU RadioおよびGNU Radio Companionの改修を行い、フローグラフを任意に分割しユーザインタフェースを信号処理主体から分離可能であることを示した。本成果については、論文誌査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度で取り組んだ3つの研究課題について、進捗状況をそれぞれ述べる。センシングのスケールアウトについては査読付き論文誌に条件付き採録になったものの採録に至っていない。スペクトログラム特徴量による無線規格判別については、国際会議で採録された。ユーザインタフェース分離と動的構成変更については、国際会議に採録になり、論文誌査読中である。以上により、すべての課題で採録には至らないものの実験的な成果は得られていることから、おおむね順調に進展しているものとした。
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Strategy for Future Research Activity |
無線信号の検出のため、信号特徴量の正規化した無線特徴量をニューラルネットワークに学習させ、識別精度向上を図る。ユーザインタフェース分離と動的構成変更について、SDRアプリケーションをクラウドとクライアントに分割しそれぞれの計算資源を併用するSDRのタスク並列分散処理を目的とした。さらに、タスク並列分散処理適用の有効性の検討と適用のためのフローの分割位置の決定を課題とする。以上の成果により論文誌の採録をめざす。
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Causes of Carryover |
初年度に物品の選定等に時間を要したため残額が発生しているが、当該年度は計画に近い形で執行を行った。研究成果の論文化および投稿を行っており、別刷り掲載料等や外部発表により使用する。
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Research Products
(4 results)