2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16055
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
古屋 貴彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00770835)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 深層学習 / 3次元形状特徴量 / 3次元形状類似検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目は,(1) 3次元形状モデルの全体形状とその部分形状群との関係を解析する技術,および,(2) 3次元形状モデルの形状特徴量を高精度かつコンパクトに表現する技術,の2点について研究を行った.これらの技術はいずれも,部分を表すキーワードを3次元モデルに対して精度良く付与し,高速に検索するために必須である. (1)の研究では,3次元形状の包含関係を学習する深層ニューラルネットワークを新たに設計し,さらにこのニューラルネットワークの学習に必要な多数かつ多様な学習用データを低コストに生成する手法を提案した.提案したPart-in-Whole Relation Embedding Network (PWRE-Net)は,全体形状と部分形状をそれらで共通の低次元実数値ベクトルに変換するニューラルネットワークである.PWRE-Netは,ベクトル間の距離が形の包含関係を反映するように訓練される.部分3次元形状を検索要求とした全体3次元形状検索のシナリオで評価した結果,PWRE-Netが従来法よりも高精度であることを確かめた. (2)の研究では,研究1年目に開発したDLAN法の検索効率の改善を図った.DLAN法を用いて獲得した3次元形状特徴量は,3次元モデルの幾何変形や姿勢変化に対する頑強性を有し,検索精度が高い.しかしその一方で,形状特徴量が高次元な実数値特徴量で表現されるために,大規模なデータベースの検索に向かない欠点があった.そこで提案されたBinarized DLAN (BDLAN)法は,深層ニューラルネットワークが3次元モデルの物体カテゴリを識別する過程で獲得する高レベルな形状特徴量を,数十次元程度の2値ベクトルで表現する.評価実験を通し,DLAN法と比べて検索精度を損なうことなく,検索速度が向上し,かつメモリ消費量が低減することを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
部分を表すキーワードによる3次元モデル検索に関する評価実験の実施には至っていないものの,要素技術が揃いつつある点においておおむね順調だと言える.また,評価用ベンチマークについては,当初,新たに作成する計画であったが,近年では他の研究グループによるデータセットが登場してきていることから,それらデータセットを用いて評価実験を実施する選択肢も存在する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は部分ラベル付与アルゴリズムの開発に注力する.1年目と2年目に開発した3次元形状解析技術を組み合わせ,部分3次元形状と部分を表すキーワードを効果的に対応付ける手法を開発する.形とキーワードを対応付ける深層ニューラルネットワークを設計し,これを効果的に学習する方法を検討する.評価用ベンチマークには他の研究グループが作成したものを用いる.提案手法の有効性を示すために,既存手法の実装等も必要に応じて行う計画である.
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Causes of Carryover |
2017年度に実施した研究成果を,研究会にて発表する予定であったが,論文の執筆に遅れが生じたために別の研究会にて発表を行った.本未使用額は研究会の開催地が異なるために生じた旅費の差額である.本未使用額は次年度の旅費に充てることとしたい.
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