2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16068
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 翔太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70750834)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 準同型署名 / 関数型暗号 / IDベース暗号 / 電子署名 / 不正者追跡暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,従来の準同型署名を拡張し,異なる署名鍵によって分散的に生成された署名に対して,真正性を損なわずに準同型処理を施すことができ,さらに準同型処理の実行に関してもアクセス制御が可能であるような技術である「多ユーザ関数型準同型署名」を創出することである.本研究で目指す技術が完成することにより,個人の健康情報等の機密性の高いデータから有用な知見を,個人のプライバシの保護と得られた知見の真正性を両立しつつ,抽出することが可能となる. 本年度は、昨年度に引き続き、当該課題への足がかりとしてIDベース暗号の設計に取り組み、さらなる効率改善に成功した. IDベース暗号は従来の公開鍵暗号と異なり,任意の文字列(メールアドレス等)に向けて暗号化が可能な技術であり,アクセス制御技術である関数型暗号の特殊なケースである.また,通常の電子署名に容易に変換が可能であり,その意味で電子署名とも深い関連のある技術である.具体的には、漸近的に(すなわちセキュリティパラメータに関する対数関数を無視した際に)ほぼ最適な効率性と、適応的安全性という高い安全性を達成したIDベース暗号方式を提案した。当該成果は、国際会議CRYPTO 2017にて発表を行った。 また、効率的なアクセス制御を実現する方法として、関数型暗号に着目し、その設計と応用の研究を行った。具体的には、特殊な状況下では従来の関数型暗号が大幅に効率化できることを示し、さらに無効化可能不正者追跡暗号への応用を示した。当該成果は、国際会議ACM-CCS2017にて発表した。 .
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当研究の目的は,適切なアクセス制御機能,プライバシ保護機能,異なる署名鍵による署名同士の演算を含む柔軟な準同型処理を全て可能にする電子署名技術の創出を行なうことである.本年度は昨年度に引き続き,目標とする技術に関連が深いIDベース暗号の研究を行った.研究の結果,当該分野におけるトップ会議であるCRYPTOに論文が採録され,IF付き英文論文誌に論文が一本採録された.また、アクセス制御を実現するための機構として、関数型暗号の研究も行い、得られた成果を当該分野におけるトップ会議であるACM-CCSにて発表した。これは,予期していた以上の成果であり,当初の計画以上に研究は進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,昨年度に引き続き、IDベース暗号の効率を漸近的に改善する方法を研究した.IDベース暗号からは電子署名が得られるが、この方法で得られる方式は準同型性を持たないので、これに準同型性を付加することを検討する。また、アクセス制御の方法として、関数型暗号の研究を行い、効率的な方式を得ることができたが、アクセス制御機構と準同型署名を組み合わせる方法も現時点では検討できていない。これらは来年度以降の課題として引き続き研究を行う予定である。.
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Causes of Carryover |
内部資金を併用したため。次年度以降の国内・国際会議への出張などに利用する予定。
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Research Products
(4 results)