2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16068
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 翔太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70750834)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 準同型署名 / グループ署名 / 非対話ゼロ知識証明 / 属性ベース暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,従来の準同型署名を拡張し,異なる署名鍵によって分散的に生成された署名に対して,真正性を損なわずに準同型処理を施すことができ,さらに準同型処理の実行に関してもアクセス制御が可能であるような技術である「多ユーザ関数型準同型署名」を創出することである.本研究で目指す技術が完成することにより,個人の健康情報等の機密性の高いデータから有用な知見を,個人のプライバシの保護と得られた知見の真正性を両立しつつ,抽出することが可能となる. 本年度は、目的としていた「多ユーザ関数型準同型署名」そのものではないが、多ユーザ環境下で署名生成にアクセス制御が可能であるような要素技術である「属性ベース署名」の一種を格子構造を利用して構成可能であることを示した。実際の構成には格子の準同型性を利用しており、当該方式は属性ベース署名とも、一種の準同型署名ともみなすことができる。この得られた方式を部品として、格子に基づくグループ署名の構成という関連する未解決問題の解決に成功した。当該成果は国際会議EUROCRYPT 2019に採録が確定していて、発表予定である。また、準同型署名を、格子構造ではなく群構造を利用して構成し、未解決であった群論的構造に基づく証明者指定非対話ゼロ知識証明の構成に成功した。当該成果は国際会議EUROCRYPT 2019に採録が確定している。 ほかにも、関連する基礎技術である「制限付き疑似ランダム関数」を、格子ではなく群構造を利用して初めて構成することに成功した。当該成果は国際会議CRYPTO 2018にて発表された。その他にも、関連技術であるIDベース暗号や、属性ベース暗号に関しても研究を行い、成果を得た(国際会議ASIACRYPT 2108、国際会議CRYPTO2019採録確定)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当研究の目的は,適切なアクセス制御機能,プライバシ保護機能,異なる署名鍵による署名同士の演算を含む柔軟な準同型処理を全て可能にする電子署名技術の創出を行なうことである.本年度は、目指していた機能全てを持つわけではないが、一種の準同型署名ともみなすことができる方式を格子構造を利用して設計することに成功し、本研究の目的達成にかなり近づいたと言える。当該方式は非常に有用で、実際、未解決問題の一つであった格子に基づくグループ署名の設計に利用することができる。本年度は上記を含む複数の成果がトップ会議にて採録/発表されている。これは,予期していた以上の成果であり,当初の計画以上に研究は進展しているといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は,複雑なアクセス制御機構を持つ署名である属性ベース署名の構成に取り組み、新たな方式を得た。当該研究の目的を達成するためにはこれに準同型性を付け加えることが必要である。当該方式設計の時点ですでに格子の持つ準同型性を利用しているので、これを更に拡張することで目標を達成することを目指す。
|
Causes of Carryover |
多忙のため、国際会議の参加を見送ったため次年度使用額が発生。 今年度は国際会議参加や、外国研究機関での研究交流等に有効活用する予定。
|
Research Products
(6 results)