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2016 Fiscal Year Research-status Report

名前が認知に与える影響:日本語の性質と名付け行動に注目した認知科学的研究

Research Project

Project/Area Number 16K16070
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

本田 秀仁  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (60452017)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords名前効果 / カテゴリー判断 / 意思決定 / インタラクション
Outline of Annual Research Achievements

以下の研究を実施した.
【研究1】3都市名を呈示して,その中から同じグループだと思う2都市を選択させるという都市カテゴライズ課題を実施した.この際,都市名の表記を漢字,あるいはカタカナ呈示することによって,カテゴライズに与える影響について分析を行った.結果として,漢字で表記された場合は地域に基づくカテゴライズがなされ,カタカナで呈示された場合はその傾向が弱くなることが示された.このように,表記に依存して都市のイメージが変化することが示された.この結果は思考の典型性が文字表記の違いによって異なる可能性を示している.
【研究2】日本中央競馬会(JRA)の馬券売り上げデータを統計モデルに基づいて分析し,売り上げに馬名の長さが与える影響について分析を行った.特に,売り上げに与える要因として先行研究で挙げられているレース番号を共変量として仮定した上で,名前の長さが与える影響について分析を行った.結果として,共変量を仮定した場合でも名前の長さと売り上げの間には相関関係が存在していることが示された.
【研究3】犬を育てるゲーム(最初に犬に名前を付けることができる)を課題として実施して,自由に名前を付けさせる,典型的な犬の名前が付けられている,非典型的な犬の名前が付けられている,以上,犬の名前の付けられ方が異なる3条件でゲームプレイ中の犬とのインタラクションにどのような違いが生じるか,という点について分析を進めている.現時点で各条件約25名の実験を実施して,ゲーム中における犬とのインタラクションをビデオデータとして記録した.またビデオデータへのタグ付けが終了した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

【研究1】について,様々な都市ペアにおいて予測される表記の効果が観察されるのか,という点を実験的に検証を行うのが2016年度の目標であったが,異なる3ペアに関して実験を実施して,予想される表記の効果が観察された.よって,その目標は達成されたと考えることができる.
【研究2】について,当初の予定では馬名の長さの影響に関する実験的検証を行う予定であった.しかしながら,先行研究の文献検索を行いこれまで報告されている知見についてまとめたところ,当初統計分析の際に考慮に入れていなかった,馬券の売り上げに影響を与える要因について検討する必要性があることが明らかになった.このため,馬券の売り上げデータについて,再度分析をする必要が出たために,当初の予定よりも売り上げデータに対する統計分析をより注力して行った.現状,馬名の長さの影響を検証する実験の準備を進めている.
【研究3】については,当初は2017年度に実験を実施予定であったが,実験を2016年度中に実施して,実験は終了した.また,ビデオデータのコーディングも終了しており,当初の予定以上の進捗している.
以上,【研究1】はほぼ当初の予定通りに研究は進んでいる.【研究2】については当初の予定では2016年度に実験を実施予定だったが,より統計分析に注力するために実施することができなかった.しかしながら,統計解析はより精緻なものとなった.【研究3】は当初の予定上の進捗で進んでいる.以上,現在までの進捗は順調なものといえる.

Strategy for Future Research Activity

【研究1】について,さらに異なる刺激,また別課題を実施した上で,名前の表記がカテゴライズの認知プロセスに与える影響について検討を行う予定である.具体的には,カテゴライズ課題には都市名ではなく,動物名を用いることによって,都市名以外でも名前の表記の効果が観察されるのか,検討を行う予定である.また,名前の表記によって表象されるものの違いを潜在レベルで検証を行うために,Implicit Association Testを用いて,名前と結びつくイメージと表記の関係について検討を行う予定である.
【研究2】については,行動実験を実施して,実世界におけるデータ解析で観察された馬名の長さの効果について,より厳密に検証を進める予定である.具体的には,仮想的な馬券購入課題を実施して,その際に馬名の長さが馬名への注目度に与える影響ついて,眼球運動装置を用いて実験的に検証を行う予定である.また競馬に知識がある人と,あまりない人の間で名前の長さが馬券購入行動に与える影響についても検証を行う予定である.
【研究3】については,2016年度に実施した実験のビデオデータを用いて,名づけ行動がインタラクションに与える影響について,分析を進める予定である.具体的には,隠れマルコフモデル用いて,インタラクションの時系列変化について,特に名付け行動が与える影響という視点から,モデルベースで分析を進める.

  • Research Products

    (8 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Communicative functions of directional verbal probabilities: Speaker’s choice, listener’s inference, and reference points2017

    • Author(s)
      Honda, H., & Yamagishi, K.
    • Journal Title

      The Quarterly Journal of Experimental Psychology

      Volume: 70 Pages: 2141-2158

    • DOI

      10.1080/17470218.2016.1225779

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] The difference in foresight using the scanning method between experts and non-experts.2017

    • Author(s)
      Honda, H., Washida, Y., Sudo, A., Wajima, Y., Awata, K., & Ueda, K.
    • Journal Title

      Technological Forecasting and Social Change

      Volume: 印刷中 Pages: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.techfore.2017.03.005

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 記憶に基づく誤った信念の系統性:推論における正確性の個人差を説明できるのか?2016

    • Author(s)
      本田秀仁・松香敏彦・植田一博
    • Organizer
      日本認知科学第33回大会
    • Place of Presentation
      北海道大学(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2016-09-16 – 2016-09-18
  • [Presentation] 意味空間上の演算は汎用的な計算論的創造性に不可欠か?機械学習によるコンセプト創出手法の提案2016

    • Author(s)
      須藤明人・藤原直哉・徳田慶太・本田秀仁・植田一博
    • Organizer
      日本認知科学第33回大会
    • Place of Presentation
      北海道大学(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2016-09-16 – 2016-09-18
  • [Presentation] 未来洞察ワークショップ会議での非言語コミュニケーションの特徴分析2016

    • Author(s)
      鷲田祐一・本田秀仁・引谷幹彦
    • Organizer
      日本認知科学第33回大会
    • Place of Presentation
      北海道大学(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2016-09-16 – 2016-09-18
  • [Presentation] On the adaptive nature of memory-based false belief2016

    • Author(s)
      Honda, H., Matsuka, T., & Ueda, K.
    • Organizer
      The 38th Annual Conference of the Cognitive Science Society
    • Place of Presentation
      フィラデルフィア(アメリカ合衆国)
    • Year and Date
      2016-08-10 – 2016-08-13
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 記憶に基づく誤った信念の適応的性質2016

    • Author(s)
      本田秀仁・松香敏彦・植田一博
    • Organizer
      日本認知心理学会第14回大会
    • Place of Presentation
      広島大学(広島県東広島市)
    • Year and Date
      2016-06-18 – 2016-06-19
  • [Book] 未来洞察のための思考法:シナリオによる問題解決(未来に関するアイデア生成のエキスパートとノンエキスパートは何が違うのか?: 認知プロセスの分析, pp. 147-161)2016

    • Author(s)
      本田秀仁・鷲田祐一・須藤明人・粟田恵吾・植田一博
    • Total Pages
      15
    • Publisher
      勁草書房

URL: 

Published: 2018-01-16  

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