2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16072
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内村 元昭 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD) (30750947)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 背景座標系 / プリズム順応 / 磁気刺激 / 電流刺激 / 楔前部 |
Outline of Annual Research Achievements |
物体の位置を表現する際に、目や体の位置といった自己中心座標系で表現する以外に、背景に固定された座標系で表現することも可能である。我々の先行研究で、新しい運動を学習する際に、自分の手と標的の間の誤差情報が背景を基準とした座標系で表現されていることを明らかにした(UchimuraとKitazawa、2013)。また脳機能イメージングを用いた研究で、背景座標系での点の位置の表現と右楔前部の活動の間に相関関係が存在することも明らかになった(Uchimuraら、2015)。本研究では磁気刺激や電流刺激といった非侵襲刺激を行なうことによって、右の楔前部と背景座標系機能との間の因果関係を示すことが目的である。 本研究では先行研究と同様に、プリズム順応を用いた実験系を用いた。本来プリズムによって生じる運動誤差は試行を重ねると減少するが、運動中に背景をプリズムと同じ方向に移動させると誤差は減少しない。本年度はまず磁気刺激実験のセットアップを行なった。その後、16名の被験者に対して右楔前部に磁気刺激を行なった場合と、対照刺激として頭頂部の磁気刺激を行った場合で、背景によるプリズム順応の抑制効果に違いが生じるか検討した。右楔部の位置は、各被験者の磁気共鳴画像から同定した。 結果は右楔前部刺激と対照刺激の間に有意なプリズム順応の抑制効果の差は認められなかった。今後は磁気刺激のパラメータ調整や電流刺激などを用いて右楔前部と背景座標系機能の因果関係を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目で実験のセットアップを終え、16人分のデータを得ることが出来たため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
磁気刺激実験を進めるとともに、電流刺激実験を開始し、背景座標系と楔前部の関係性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は設備の存在する磁気刺激実験を行なったため、予定より少ない金額のみ使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降に予定している電流刺激実験の準備・施行に用いる予定である。
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