2016 Fiscal Year Research-status Report
任意運動単眼カメラを用いた幾何プリミティブ近似による3次元構造復元
Project/Area Number |
16K16084
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大石 修士 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30759618)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 3次元復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
リアルタイムな3次元形状計測は,未知環境下において動作するロボットや遠隔医療等の実現に必要不可欠な技術である.本研究では,カメラ画像中のテクスチャから得られる外形や対称性を相補的に利用し,対象物体を一般化円筒等の組み合わせとしてモデル化する.これにより,対象物体を連続性を持った幾何プリミティブの集合として復元することのできる,単眼カメラ1台のみを用いた高密度な実時間3次元復元手法を開発する.
本年度は,プリミティブフィッティングに必要となる3次元点群の取得に向け,単眼カメラによる3次元復元手法(Visual SLAM)の開発に取り組んだ.一般に,Visual SLAMはカメラ画像間の対応点に基づく三角測量により3次元復元・自己位置同定を行うものであり,密な3次元復元結果を得るためには膨大な数の対応点を正確に求める必要があるためGraphics Processing Unit(GPU)等の演算装置が不可欠である.
そこで本研究では,画像中のエッジやコーナー等の対応付けが容易な代表点の選択的な3次元復元と,その復元結果に基づく陰関数近似による計測対象の概形推定を行うことで,未計測領域に対し大まかな推定値を与え,計測対象全体の3次元復元計算の高速化および外れ値・ノイズの低減を図った.単眼カメラを用いた実機実験により,GPUを用いることなく,従来のVisual SLAMに比べ密な3次元形状復元が行えることを確認した.これは,陰関数近似により得られた推定値を用いることで,テクスチャの顕著でない画素に対しても深度推定の探索範囲を限定できるためである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,本研究の遂行に必要となる3次元復元手法の開発に取り組んだ.一方で,目標であるプリミティブ近似に向けては,点群情報からの物体の幾何軸推定や,テクスチャ画像からの対称性や概形の取得が必要である.来年度はこれらの主要な要素技術の開発・実装を早期に進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
提案手法による3次元復元では,代表点を足掛かりとした全体形状の推定を行うため,周囲に勾配の顕著な点が存在しない領域では,復元が正しく行われないという問題がある.今後はエッジやコーナーのようなテクスチャの極端に強い画素のみでなく,勾配の多少弱い画素からも陰関数近似への拘束が与えられるような枠組みの導入を検討していきたい. また,対象物体の3次元形状に加え,テクスチャ画像から対称性や概形を取得することで,本研究の目標であるプリミティブ近似手法の開発に取り組む.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として,研究の遂行に必要な基本機材購入後の残額では魚眼レンズの追加購入ができなかったことが挙げられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額と本年度の研究費を合わせ,本研究に適する魚眼レンズの購入を予定している.
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