2016 Fiscal Year Research-status Report
構成的手法に基づく内気な人の予期メカニズム解明と会話支援ロボットの行動モデル確立
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16K16102
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
大島 直樹 東京電機大学, 情報環境学部, 助教 (30732820)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 会話支援ロボット / コミュニケーション支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,対人コミュニケーションにおいて,内気な人が感じる気おくれや不安,緊張(心理ストレス)を緩和することの可能なコミュニケーション支援ロボットを構築した.内気な人の予期メカニズムについて,仮説を立て,心理ストレスの軽減されるロボットの振る舞い(ビヘービア)を評価した.今後は,内気な人の心理ストレスを解消することの可能なロボットの汎用的な行動モデルを構築し,生活支援・教育福祉支援における会話支援ロボットに応用展開する予定である. 研究の実績について,より具体的には次の項目を行なった.(1)Shyness理論(Buss, 1986),KiSS-18などの関連文献の整理・社会スキル尺度の検討を行なった.(2)実際の人間行動を分析し,人の身振りや顔の表情から,複数人でのコミュニケーションにおいて心理的ストレスを引き起こしやすいコミュニケーション支援ロボットの振る舞いを明らかにした.(3)2とは対照的に,複数人コミュニケーションにおいて,内気な人の心理ストレスを低減しながら,積極的な発話を引き出すためのコミュニケーション支援ロボットの振る舞いを明らかにした.(4)2, 3の評価実験のために,複数人の発話行動を観察/分析するための情報センシング環境の構築を行なった.(5)4の映像分析を行い,特定の行動頻度を測定,統計処理を行い,評価結果を得た.(6)以上の成果について,関連学会での成果発表を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い,概ね順調に研究が進展している. ただし,下記の点については,当初の計画通りでは無かったため,研究アプローチを変更することで対応した.(1)当初,コミュニケーションの「場面」の違いを変数と捉えたが,研究の進展に伴い,コミュニケーション支援ロボットの「行動パターン」の違いというパラメータに着目することで,より精度の高い分析データを得た.(2)コミュニケーション支援ロボットの行動パターンの生成について,自動制御が困難で精度の良いデータが得られないと判断し,人による遠隔操作手法により制御するWizard of OZ手法を採用した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通りに研究を進める予定である.
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Causes of Carryover |
得られた研究成果データは十分であったが,広く一般に伝えるためには,理解しやすい形にデータの記述方法を整理する必要がある.複雑な記述のままの研究成果・文献を世の中に公開するのではなく,一般に理解しやすい形に記述を整えた後に成果発表する方が妥当と考えた.そのため,研究成果発表のために確保していた旅費の計上を次年度に行なう.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より有益な成果発表を行なうために,前年度に得られたデータ整理を行なった後に,前年度分の成果発表旅費を本年度の旅費として使用する.
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