2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of low/high-definition stereoscopic video clips on the physical function
Project/Area Number |
16K16105
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
高田 真澄 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (50760998)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デザイン評価分析 / 生体医工学 / バーチャルリアリティー / 衛生学 / 脳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本件研究の全体構想は、4K・HDRディスプレイに表示された立体映像視認時における周囲像が生体に与える影響、特に脳血流量の変化から「脳内における立体的な周囲像に関する視覚情報処理が過負荷になっている」ことを検討し、2.遠近感の手がかりになる周辺映像がない立体映像を追従視、周辺視することによる脳血流動態量変化の評価をし、「眼疲労」や「映像酔い」が生じる機序を明らかにすることで安全かつ快適な映像視聴に役立つエビデンスの構築を目的とした。 背景あり・なしの映像コンテンツの実証実験を立体視が可能な若年者に実施した。背景のない映像視認は、脳血流の酸化へモブロビン濃度が視覚野の位置する後頭葉にて有意に上昇し、また追従視より周辺視をした時の方がより増大した。一方、前頭葉での酸化ヘモグロビン濃度の増大がみられたのは背景なしの周辺視を行った時のみであった。周辺視時の後頭葉上部で酸化ヘモグロビン能動が増大していることは、脳内での映像処理を背側視覚路を経由し姿勢制御にも影響していることが考えられる。前頭葉の活性は、背景なしの周辺視のみであり、遠近感の手がかりとなる情報不足によって空間認知を補完するための思考が行われていることが考えられ、視覚情報と眼疲労・映像酔いの脳内処理における知見が得られたことから映像の種類が脳活性に影響を与え、眼疲労や映像酔いを生じさせていることが示唆された。次に、周辺視をしている時の映像はぼやけが大きく、低精細映像にたとえられる。解像度の違いによる脳血流量の変化をfNIRSEを用いて測定した。低精細映像の視聴は、高精細映像と比較すると脳全体の血流量が有意に増加した。このことは、視覚対象の認識が困難になり視覚情報処理過程に負荷が加わったためと考える。本研究の結果から、低精細映像は脳血流が増加することから眼疲労や映像酔いを生じさせることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Book] Stereopsis and Hygiene2019
Author(s)
Masumi Takada, Hiroki Takada, Masaru Miyao, Kouki Nagamune, Yosuke Uozumi, Shu Matsuura, Fumiya Kinoshita, Kazuhiro Fujikake, Yasuyuki Matsuura
Total Pages
135
Publisher
Springer
ISBN
978-981-13-1600-5