2018 Fiscal Year Research-status Report
大規模テキストからの語横断的フレーム知識の獲得と意味解析への応用
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16K16110
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹野 遼平 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (70603918)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 格フレーム / FrameNet / 意味役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、大規模テキストからの語横断的フレーム知識の自動獲得、および、自動獲得したフレーム知識に基づく実用的な意味解析システムを実現することである。本年度は、日本語を対象に自動獲得されたフレーム知識である京都大学格フレームを、英語を対象に人手で整備されたフレーム知識であるFrameNetに対応付けることにより、語横断的フレーム知識を構築し、さらに、対応付け知識に基づく日本語意味役割付与システムの構築に取り組んだ。 フレームの対応付けに関しては、まず対訳辞書に基づく教師あり手法により日本語と英語間の言語横断単語意味ベクトルを構築し、続いて構築したベクトルを用い、京大格フレームに含まれる用例情報と、FrameNetに含まれる注釈付き文から得られる用例情報の類似度を算出することで、京大格フレームに含まれるフレームをFrameNetのフレームに対応付けた。 意味役割付与システムの構築に関しては、日本語テキストを、京大格フレームに基づく述語項構造解析器であるKNPを用いて解析することで、入力されたテキスト中の要素を京大格フレームの格に対応付け、その対応付け結果をFrameNetの意味役割に変換することにより、日本語テキストを対象とした意味役割付与システムを構築した。評価は日本語版FrameNetに含まれる注釈文を用いて行い、日本語の教師データを使わない設定において、39.2%の精度でフレームを同定、28.8%の精度でフレームと意味役割のペアを正しく推定できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自動構築したフレームの語横断的な関連付け、および、それに基づく意味役割付与システムの構築を行ったものの、現時点ではその対象は限定的であり、よりカバレッジおよび精度の高いモデルの実現のために必要となる、手法の精緻化、および、大規模な実験までは実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度取り組んだ京大格フレームとFrameNetの対応付けモデルの問題点を明らかにし、よりカバレッジおよび精度の高いモデルの実現のため、手法の精緻化、および、大規模な実験に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
事前に想定と異なり国際会議に参加しなかったため次年度使用額が生じた。本年度は研究成果の報告等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)