2017 Fiscal Year Research-status Report
自律的な知識の発見と構造化を実現するホロニック構造型識別器の開発とその応用
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16K16116
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
間普 真吾 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (70434321)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 機械学習 / パターン認識 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,データ識別アルゴリズムの強化,および応用システム(医用画像診断および人工衛星画像分析)への展開を目的とした研究を行った. 1.画像データの教師なし分類システムの構築を目的とし,深層自己符号化器およびBag-of-Features法を用いて特徴量を抽出した後に,K-meansクラスタリングを実行することで,類似性の高い画像を同じクラスタ(グループ)に格納するアルゴリズムを開発した. 2.画像データの半教師あり分類システムの構築を目的とし,1.の特徴抽出法に加えて,自己学習と能動学習を行うことで,少数の訓練データから効率的な学習が可能な仕組みを開発した.なお,1.および2.の方式を医用画像診断システムに応用し,その有効性を明らかにした. 3.識別器の構築を行うには,通常複数のクラスに属する訓練データが必要である.例えば,衛星画像から災害発生地域を検出するには,正常領域と異常領域の画像が大量に必要である.しかし,正常画像と比較して異常画像を取得するのは難しく,取得できる画像数に差がある.したがって,正常画像のみを用いて,特徴量の正常領域を求め,正常領域から外れた画像を異常と判断する識別器を構築した.本方式の実現のため,畳込み自己符号化器による特徴量抽出と,One-Class SVMによる異常検知手法を組合せた. 4.衛星画像のある領域で災害が発生しているかどうかを判断するには,判断する領域のみならず,周辺の状況(環境)も考慮することで精度が向上すると考え,対象領域と周辺領域の画像をまとめてマルチチャネル化する手法を考案し,複数の情報を総合的に利用する識別器の開発を行った.3.および4.の方式は,衛星画像内の災害発生地域を識別する問題へ適用し,その有効性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の実績報告において,今後の研究の推進方策を,1.データ識別アルゴリズムの強化,および2.応用システムへの展開と記述した.1.については,教師なし学習,半教師あり学習,自己学習,能動学習などの技術の導入によってデータの効率的な学習への利用方式について研究を行い,2.については,医用画像診断システムと人工衛星画像分析への応用を行った.いずれの研究においても,従来手法と比較して良好な結果が得られており,研究の進捗はおおむね順調であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度に行った応用研究の成果をさらに拡張する研究を行う.特に,医用画像診断システムにおいては,海外で公開されている医用画像データベースを用いることで,診断に重要な知識(特徴)をより正確に抽出する方式を考案し,診断の高精度化を図る.また,特徴抽出法についても,近年の機械学習に関する最新の情報収集を行いながら,最適な方式を探る.人工衛星画像分析においては,複数の情報を考慮して災害発生地域の検出を行う方式の性能強化を図る.
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Causes of Carryover |
旅費を予定より低く抑えることができたため,来年度の成果発表旅費として使用する予定
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