2017 Fiscal Year Research-status Report
群知能最適化手法による手軽かつ高精度な非線形解析手法の提案
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16K16124
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松下 春奈 香川大学, 工学部, 講師 (00604539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分岐解析 / 力学系 / 粒子群最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に開発した入れ子構造型粒子群最適化(NLPSO)による分岐点導出法を様々な分岐へ適用した.様々な分野の力学系における系の定性的性質の解明には,パラメータ空間における分岐点集合の導出が重要であり,分岐パラメータの導出及び追跡手法として様々な解析手法が提案されている.しかしながら,これらの従来法は勾配法であるNewton-Raphson法がベースとなっており,系の方程式の微分情報並びに適切な初期値を必要とする.前年度に開発したNLPSOはNewton-Raphson法を用いない周期倍分岐点導出法であり,粒子群最適化 (PSO)をベースとしている.この手法は入れ子構造となった2つのPSO(NLPSO)を用いることで,2つの独立した目的関数を多目的関数とすることなく,分岐パラメータとその周期点を探索する.NLPSOを用いることで,高周期点や高次元の系であったとしても,周期点の安定性に依存することなく,素早い収束性をもって高精度でPD分岐点を導出できることを確認している.また,初期値やパラメータの厳密な設定を必要としないことから,利便性も良くロバスト性も高い.しかしながら,前年度では周期倍分岐点導出への適用例のみであった.本年度はNLPSOを拡張し,1次元のSaddle-node分岐,Border-Collision分岐,連続力学系へ応用した.それぞれの分岐や系には従来NLPSOでは解決できない問題が存在したが,それぞれアルゴリズムを修正・拡張することで解決した.提案手法は複数の研究会で発表を行い、また、一部は国際論文誌にも掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発に関しては様々な分岐への応用および問題点の解決に成功しており,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
提案NLPSOへの様々な力学系へ応用し,提案手法の有効性を更に確認する.PSO以外の手法を取り入れた効率的な分岐図作成手法の提案にも着手する.また,実社会問題や時系列データからの分岐図作成手法の提案を目標とする.発表・報告に関して少々遅れが見られるため,次年度は研究をまとめ,学術論文として報告することに重点をおく必要がある.
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Causes of Carryover |
妊娠・出産のため,予定していた国際学会への参加を取りやめたため.
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