2016 Fiscal Year Research-status Report
色を説明変数とした他の感覚の表現手法の確立およびアプリケーションシステムの構築
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16K16139
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
若田 忠之 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (60758605)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 色 / 香り / 音楽 / 印象 / ”Brilliantness” |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:本研究では色(視覚)、音楽(聴覚)、香り(嗅覚)の3つの感覚情報を用いて、それらに共通する印象次元を抽出し、その印象次元における各感覚の関係性を検討することを目的とした。 方法:色刺激25種類、香り刺激30種類、音楽刺激40種類を用いた。評価項目は印象に関するSD法が20形容詞対、および色の明るさ、あざやかさの評価にVASを用いた。色刺激はSD法による印象評価およびVASによる明るさ、あざやかさの評価を行った。香り刺激と音楽刺激は、SD法による印象評価を行った後に、トーンと色相からそれぞれ調和色、不調和色を1つづつ、計4色選択した。実験参加者は37名であった。 結果、まとめ:色、香り、音楽に共通する印象次元の抽出として因子分析を行った結果、4つの因子が得られた。色の明るさ、あざやかさについては主成分分析によって両者を統合した次元として”Brilliantness”の概念を定義した。この”Brilliantness”を用いることによって、特に、第1因子および第2因子は色の明るさ、あざやかさと対応することが示された。第1因子、第2因子における色、香り、音楽のそれぞれの関係性に着目すると、色と香りについては第1象限、第3象限への分布が見られ、音楽はそれに加え、第2象限、第4象限への布置が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった、「多感覚に共通する印象次元の抽出を行う」という目的は達成された。 しかし、被験者数が若干少ないことから、今年度も引き続きデータを収集しデータの安定化を図る必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は主に「研究2:PCCS における色の知覚的明度、彩度空間の再検討」を行う予定である。 研究1の中でも試験的に色の明るさ、あざやかさ評価は行っており、両者の統合および印象次元との対応については良好な関係性が観察された。 この傾向はこれまでの知見と一致する傾向であることから、特に色の明るさとあざやかさの関係性に着目して進める。 課題内容については、当初の計画に加えて、単色の形状での色の評価も加えることで、より厳密に色の明るさとあざやかさの関係性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度以降の研究計画における刺激作成において、新規のPCを購入する必要が出た為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記PCで必要なソフトウェアおよび実験用のカラーカード等などの物品費に使用予定である。
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Research Products
(3 results)