2018 Fiscal Year Research-status Report
lncRNAを中心とした生体分子間相互作用ネットワークの予測と機能推定法の開発
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16K16143
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩切 淳一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (40770160)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | lncRNA / 2次構造 / RNA-RNA相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、RNAの構造・分子間相互作用の情報解析手法を中心に下記の3報の論文を発表した。 (1)RNAの2次構造の中で、最安定な構造だけではなく、準安定な2次構造を解析できる情報解析ツールを開発し、論文として発表した(Hagio et al.,BMC Bioinformatics, 19(Suppl 1):38, 2018)。 (2)RNAの高次構造を網羅的に調べる実験データ(icSHAPEやPARS等)から、複数回の実験で再現性のあるシグナルを抽出し、RNAの高次構造予測を高度化する手法を開発し、論文として発表した(Kawaguchi et al., BMC Bioinformatics 2019, 20(Suppl 3):130)。 (3)lncRNAと他RNA間の分子間相互作用予測について、配列の相補性だけではなく、各RNAの発現量や細胞内局在のデータを組み合わせることで、より合理的な相互作用を予測できるようにしたWebサーバーを構築し、論文として発表した(Fukunaga et al., Frontiers in Genetics (doi: 10.3389/fgene.2019.00462))。 また昨年から引き続き、次世代シーケンサーを用いた実験手法であるPAR-CLIPやSLAM-seq、TimeLapse-seqなどの塩基置換が多数存在する配列データから有用なシグナルデータ(PAR-CLIPの場合:RNA-タンパク質相互作用、SLAM-seqおよびTimeLapse-seqの場合:RNAの分解速度・半減期)を効率的に取得する解析技術を開発し、現在解析結果の評価を実施している。この解析技術により、今までの解析では発見できなかったRNA-タンパク質相互作用についての情報を収集するだけではなく、RNAの合成・分解速度、RNAの高次構造、RNAの転写後修飾等を調べた次世代シーケンサー由来配列データから、より多くの有用な情報が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNA-タンパク質相互作用のデータベースは類似のものが海外で発表されたため(Zhu et al. Nucleic acids research 47.D1 (2018): D203-D211.)、本研究で構築するデータベースを論文として発表するには、何らかの差別化が必要である。そのため、PAR-CLIPの実験データに含まれる塩基置換を効率的に利用することで、有用な相互作用のデータを多く取得する手法を開発しており、現在、その解析結果の評価を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-タンパク質相互作用に関しては、類似のデータベースが公開されたことで(Zhu et al. Nucleic acids research 47.D1 (2018): D203-D211.)、本研究で当初計画していたデータベースを論文発表することが困難となった。そのため、今後は本研究を通じて新たに開発したCLIP-seqの解析手法を中心に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
CLIP-seqの新しい解析手法の論文掲載費およびRNA-タンパク質相互作用のデータベース構築費用として今年度中には使用できなかったため、次年度使用額が生じている。論文に関しては掲載が決まり次第使用する予定である。データベース構築費用に関しては、CLIP-seqの新しい解析手法の開発および、SLAM-seqやTimeLapse-seqといった新しい実験手法への適用のために使用する予定である。
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Research Products
(7 results)