2018 Fiscal Year Research-status Report
公共図書館経営におけるハイブリディゼーションの基礎的研究
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16K16161
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小泉 公乃 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (70567461)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 公共図書館 / 図書館経営 / 事例分析 / エスノグラフィー / ハイブリディゼーション / 指定管理者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)を活用した在外研究をノルウェーにおけるOslo Metropolitan Universityを拠点として同時に実施しているために国内における調査の機会は限られた。したがって,国内の調査対象先を主に直営図書館として代表的な事例の田原市図書館(愛知県田原市)に絞り,データの収集と事例分析を実施した。田原市図書館の事例分析の中では,新しいサービスの開発とコレクション構築のバランスの重要性が指摘されていた。例えば,同図書館では「棚魅力化プロジェクト」としてバランスを保つ努力がなされていた。またこれまでの研究成果の一部として,田原市図書館の貸出履歴を匿名性を保ちつつ活用することで市民のニーズを捉えることとを目的に分析し,査読付き学術雑誌のLibri: International Journal of Libraries and Information Studiesに受理された。 次にこれまでの事例分析のなかで大学図書館と公共図書館のハイブリディゼーション(交雑)の事例など、公共図書館にない新しいサービスが取り入れられる事例がみられていた。そこで図書館における新しいサービスを概観するために<研究データ管理(Research Data Management)>や<場としての図書館 (Library as Place)>といった図書館において比較的新しい領域となるサービスについての研究を実施し,これらの研究成果を国際学会のBOBCATSSS 2019にて発表した。 そのほかには、若手研究Bで当初予定していた海外の調査対象先に訪問した上で観察調査とインタビュー調査を通してデータの収集を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた主な調査対象先から積極的な協力が得られたことで十分なデータを入手することができた。データの分析結果の一部を査読付き学術論文や国際学会において発表することができた。また,研究が当初の予定よりも早く進んだことから,予算の一部を前倒請求をした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,これまでの調査を通して入手したデータを対象に総合的に分析し,その成果を専門学術図書 "Hybridisation in the Information World (仮題)"にまとめ,専門学術図書に収まらない結果については査読付き学術雑誌に投稿する。
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Remarks |
在外研究中に所属したOslo Metropolitan Universityにて作成された。
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