2018 Fiscal Year Research-status Report
生体情報に基づく学習者状態に応じた自主学習支援システムの開発
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16K16175
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
長谷川 達人 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (10736862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンテキストアウェアネス / 学習支援システム / ウェアラブルデバイス / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年の研究成果は大きく分類して以下の2点である. 一つ目は,ウェアラブルデバイスを用いた自主学習支援に関する研究を深め,研究成果の公表を進めたことである.本研究では,アイウェアJINS MEMEを着用した状態で英単語学習を行い,解答時の印象を推定する手法を開発している.本年は,前年度に実施した計測実験とは別途,追加実験を行い分析を進めた.実験設計は前年同様であるが,データ計測アプリケーションを新規開発し,回答に対する確信度に加えて主観的難易度を正解ラベルとして入力できるようにした.本アプリを用いて被験者8名に対し,210問の英単語を回答させる追加実験を行った.分析の結果,確信度は他人のデータで学習したモデルで81%,自身のデータで学習したモデルで93%の精度で推定できることを確認した.同様に主観的難易度は,75%,91%の精度で予測できることを確認した. 二つ目は,ウェアラブルデバイスを用いた学習支援の方向性としてタッチタイピングの修得支援の研究を開始した.タイピング時の視線認識を行うため,アイウェアJINS MEMEを着用した状態でタイピングを行う実験を被験者10名に実施した.データを分析した結果,他人のデータで学習したモデルで77%,自身のデータで学習したモデルで93%の精度で予測できることを確認した.また,タイピング時の運指認識を行うため,アームバンド型デバイスMyoを着用した状態で指を動かす予備実験を別途10名に対し実施した.他人のデータで学習したモデルで74%,自身のデータで学習したモデルで90%の精度で5指と動作無しの6状態の認識が行えることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,当初想定していたウェアラブルデバイスを用いた自主学習時における印象推定に関して,確信度だけでなく主観的難易度を推定する実験を執り行い,推定精度の検証を完了している.更には,派生的に発生した,ウェアラブルデバイスを用いたタッチタイピング修得支援に関する実験を執り行い,視線方向や運指の検出手法の開発に取り掛かっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として,2019年度は研究成果の公表を主に行う.まず,本研究課題のメインテーマである英単語学習時の確信度及び主観的難易度の推定に関する学術論文の投稿処理を進める.並びに,タッチタイピング支援に向けた視線方向の推定,運指の推定に関する論文投稿や学会発表を実施する.
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Causes of Carryover |
実施を想定していた学術論文の公表と学会発表が遅れているため,次年度に繰り越してこれを遂行する.
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