2016 Fiscal Year Research-status Report
スマートデバイスによる数学eラーニングのための数式音声入力インタフェースの構築
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16K16178
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
白井 詩沙香 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教 (30757430)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数式入力 / ユーザビリティ / インタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,新たな学習環境として注目されているスマートデバイスにおける数学オンラインテストシステムの数式入力環境を改善するために,数式音声入力インタフェースを構築することである。本研究では,基盤となる数式入力アルゴリズムとして,普段数式を読むように入力し数式を構築することができる数式曖昧表記変換方式を利用することを計画した。 研究初年度は,数式音声入力インタフェースの基盤となる数式曖昧表記変換方式を実装した数式入力インタフェースMathTOUCHについて,(1)多種ある数学オンラインテストシステムに対応できるよう出力機能の拡張,(2)インタフェースのJavaScript化,(3)インテリジェント化を目的とした数式予測アルゴリズムの実装と検証を行なった。 具体的には,4~6月にMathTOUCHのユーザビリティに関するユーザ意見を収集するために,Webサイトに数式入力の試作システムを公開し,その成果をICME-13で発表した。7~8月には,多種ある数式自動採点システムの入力に対応できるようMathTOUCHの出力機能を拡張し,その成果をPCカンファレンスで発表した。また,並行して4~7月には,Webアプリケーションとの親和性向上を目的にMathTOUCHのJavaScript化を行い,被験者実験によってその有用性を検証し,その結果を9月にEAMSカンファレンスで発表した。続いて9~12月には,数式の予測変換アルゴリズムをMathTOUCHに実装し,被験者実験によって有用性を検証した。この結果は3月に情報処理学会139回CE研究発表会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,初年度に,数式読み上げの音声認識に対応したパーサを開発することを検討していたが,数式入力時のユーザ行動を検証するためにも,まずはスマートデバイス向けの数式入力インタフェースを構築し,タッチ入力によるインタラクションデザインを固めること,当該インタフェースに数式予測変換アルゴリズムを実装することを優先すべきと判断し,先行して2年目に予定していたインタフェース開発を進めた。PCベースでのインタフェース構築とその有用性の検証を行うことはできたが,スマートデバイス向けのインタフェースの完成には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に完成した数式入力インタフェースの(1)スマートデバイス対応(入力インタフェースの開発)と(2)数式読み上げの音声認識に対応したパーサの開発を進める。 (1)については既に開発は進んでおり,完成次第,実際に数式自動採点システム上で被験者実験を行い,ユーザビリティを評価していく。(2)については,まずはパーサ開発のための数式の読み方の洗い出しを行う。教員によっても読み方が異なるため,代表的な数式の読み一覧が完成した段階で,研究協力者に確認の協力をいただく予定である。今年度後半は,完成した数式入力インタフェースに音声認識システムを組み込む作業を行なっていく。
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Causes of Carryover |
購入予定であったシステム開発用端末の新しいバージョンが2017年度に発売予定ということが判明したため、2016年度の購入を見送った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度に購入予定であったシステム開発用端末を購入する予定である。
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Research Products
(6 results)