2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K16198
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
江口 哲史 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (70595826)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタボロミクス / コホート調査 / 化学物質曝露影響解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおける化学物質曝露影響調査において、さまざまな特定のバイオマーカーの変動をアウトカムとし、曝露影響を調査した研究が進められている。しかしながら、曝露からマーカー変動に至るメカニズムをコホート調査を用いて調査した研究は限られている。本研究「メタボローム解析による化学物質曝露の健康影響評価」の構想は、細胞内に数千種類存在する低分子代謝物(メタボローム)の解析を通して周辺環境の変化・化学物質の曝露を反映するバイオマーカーを特定し、環境疫学・環境毒性学の端緒開拓を目指すものである。また、複数のマーカー候補物質が得られた場合には、それらの生理学的機能を解析することで、毒性発現のメカニズムについて考察できると考えた。 本年度は千葉大学において推進している出生コホート調査および、ベトナムヒ素汚染地域について血清・尿中メタボロームを分析し、化学物質曝露レベルとの関係解析を試みた。 この結果、ポリ塩化ビフェニルの曝露を反映する生体内パスウェイとして、母体ではグルタチオン代謝が、胎児由来の臍帯血清からはエネルギー代謝がそれぞれ変動している可能性が示唆された。本研究結果は国際誌に投稿・受理された。ベトナムヒ素汚染地域については測定試料量が膨大であるため、来年度引き続き解析を進める予定である。 また、来年度は鉛, 臭素系難燃剤などの汚染を反映したと予想される地域より得た検体の測定を進め、さらなる曝露影響の探索を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに国際誌に論文を投稿・受理されたほか、メタボローム解析を用いた共同研究についても結果が出始めていること、来年度測定予定であった試料についても前倒しで分析を進めることができているため、計画以上に進展があったと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は鉛, 臭素系難燃剤などの汚染を反映したと予想される地域より得た検体の測定を進め、さらなる曝露影響の探索を進める予定である。また、検体測定が終わり次第、現在のメタボローム分析手法についても、定量性の向上や測定時間短縮のための検討を進める。
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Causes of Carryover |
試薬、資材をスムーズに運用し、予定よりもコストを抑えて測定を進めることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は測定用資材、学会旅費、論文投稿料に加え、データ解析用PCを購入する予定である。また、測定精度管理用の試薬購入に次年度使用額分を追加し、測定から得られた分析データの精度管理を高度化する予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] メタボロミクスを用いたヒ素汚染地域住民の影響評価2016
Author(s)
阿草 哲郎, 江口 哲史, Nguyen Minh Tue, Vi Thi Mai Lan, Tu Binh Minh, Pham Thi Kim Trang, 高橋 真 , Pham Hung Viet, 田辺 信介, 岩田 久人
Organizer
第25回 環境化学討論会
Place of Presentation
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター, 新潟県, 新潟市
Year and Date
2016-06-08 – 2016-06-10
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