2017 Fiscal Year Annual Research Report
Recycle Process of Rare Earth Magnets with High Speed and High Separation Ratio Using Molten Salts
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16K16212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 幸司 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (20533665)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 希土類 / 磁石 / リサイクル / 溶融塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、廃棄レアアース磁石の抽出剤に、フッ化物塩化物混合型溶融塩を利用したリサイクル法を構築することを目的とした研究を行った。最終年度においては、前年度に選定したCaCl2-CaF2混合溶融塩を抽出剤に用い、1000℃での抽出実験ならびに揮発分離試験を行った。 (1)揮発分離に適した溶融塩組成を調べるため、CaCl2-(0-49.0 mol%)CaF2と1.0 mol%もしくは5.0 mol%ずつのNdCl3とDyCl3を、グラファイトるつぼ内へ混合充填し、1000℃の真空雰囲気で蒸発した塩とるつぼ内の残留塩の分析を行った。CaF2の割合が20mol%を超えたあたりからF-イオンがDy3+イオンへ優先配位し、蒸発塩中のNd/Dy濃度比が増加して最大で4.5までNdが濃縮された。 (2)実際のネオジム磁石を用いて、抽出実験ならびに揮発分離試験を一貫して実施した。蒸発塩中のNd/Dy濃度比は最大で13.0となり、反応前のネオジム磁石の値と比較すると2.8倍のNd濃縮に成功した。 以上の結果から、リサイクルプロセスでは、ネオジム磁石からの希土類元素の選択的抽出と同時に、希土類ハライドであるNdCl3は気相を介して系外へ輸送し、DyF3は溶融塩中へ残留濃縮できる傾向が実証された。分離能は現時点では大きくないが、分離条件を最適化することによって、溶融塩中に抽出された希土類化合物を、蒸気圧差で高効率に相互分離することが期待できることが示された。
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Research Products
(3 results)