2017 Fiscal Year Research-status Report
生活環境下におけるレジオネラの遺伝的群集構造解析と感染リスク低減のための基盤研究
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16K16219
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Research Institution | Kobe Institute of Health |
Principal Investigator |
中西 典子 神戸市環境保健研究所, その他部局等, 研究員 (50615490)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | L. pneumophila / レジオネラ属菌 / 比較ゲノム解析 / 自自由生活性アメーバ / 遺伝子型別 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、レジオネラ属菌の遺伝的群集構造を解析することで、ヒト生活環境中でニッチを獲得する機構を明らかにし、レジオネラの生存戦略の解明を目指す。これまでの研究から、L. pneumophilaにおいて、遺伝子型別解析(SBT, MLVA)から、冷却塔水由来には特徴的な三つのclonal complex(CC)が定着していること、温泉環境における多様な遺伝子型が存在していることを明らかにした。本年度は、分離年・分離場所の異なる冷却塔由来の三つのCCを構成する代表株17株の全ゲノムデータを取得し、詳細なコアゲノム解析を実施した。その結果、系統解析から3系統のクラスターが確認され、クラスター内はクローナルな集団であることが示唆された。 さらに、環境由来別にレジオネラ属菌の宿主となる自由活性アメーバの生態について調べたところ、冷却塔水ではハルトマンネラ属が多く分離され、温泉水では、ステナアメーバ、アカントアメーバ、ファリンゴモナス属、ハルトマンネラ属等多様なアメーバが検出された。また、温泉環境に特徴的な菌種であるL. londiniensisとL. israelensisのアカントアメーバ内での増殖能を調べたところ、L. pneumophilaと比較して非常に遅いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
冷却塔由来株のゲノム構造解析から、分離年や分離場所が異なる場合でも、3系統のクラスターに分類され、クラスター内はクローナルな集団であることを明らかにした。環境由来別でのレジオネラ属菌の宿主となるアメーバの生態を明らかにし、レジオネラ属菌とアメーバとの親和性についても検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的基礎データを基に、時間軸、環境要因、病原性遺伝子の保有、共存関係等の状況からゲノム解析する菌株を増やし、詳細な系統解析および保有する病原性遺伝子解析、ゲノム再編成パターンについて検討し、レジオネラ属菌の病原性獲得への経時的進化機序について明らかする。
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Causes of Carryover |
予定ゲノム解析対象株を増やし、次世代シーケンサー解析を含めた核酸配列解析用試薬として使用し、引き続き適切に予算を執行していく予定である。
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Research Products
(2 results)