2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an avian monitoring system using species identification by bird songs
Project/Area Number |
16K16222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 素子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携研究員 (50456828)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 長期モニタリング / 音声解析 / さえずり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題で対象としている録音データからの種の識別システムは、①さえずりの検出、②さえずりの識別の2段階から構成されている。録音データからさえずりを検出する過程において、従来の2チャンネルでの録音では、解析時の検出率が低いといった問題があることが分かった。この検出率の低さの大きな理由は、同時にさえずっている複数の個体を分離できず、一つの個体のさえずりとして認識してしまうことにあった。そのため、本研究課題では録音チャンネルを従来の2チャンネルに加えて8チャンネルに増やし、さらに強力な音源定位機能をもつロボット聴覚ソフトウェアHARKを用いて解析を進める方向性をとっている。 録音データを新規に取得するため、鳥類の繁殖期を中心に現地調査を行った。福井県およびインドネシア・スマトラ島の森林において、たまご型マイクアレイ(TAMAGO-3)を用いて8チャンネルでの録音を、福井県は繁殖期に該当する2017年5月および2018年5月、インドネシアは2018年3月および2018年9月に行った。 解析にはロボット聴覚ソフトウェアHARKを利用した結果、2チャンネル録音では不可能だった、同時にさえずっている個体の分離に成功した。この手法を用いることで、より正確な識別につなげることができることが明らかになった。本研究成果を応用することで、録音データからのさえずり識別システムの大幅な改良につながることが期待される。
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