2018 Fiscal Year Annual Research Report
Invention of novel photoelectrochemical battery utilizing electrolyzed-water fuel
Project/Area Number |
16K16227
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
Myo ThanHtay 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (20590516)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電解水電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は太陽光エネルギーと(水)海水を用いて、化学エネルギーを電気エネルギーに変換できる新規の光補助電解水中和電池の創製を目的として実施した。本研究で提案の光補助電解水中和電池は水を電気分解する際に得られる酸性及び塩基性の電解水(化学エネルギーの保持媒体)を中和反応させて電気を取り出し、繰り返し再利用可能な仕組みを有している。本研究によって、以下の成果が得られた。 【基本仕組みの確立】酸性電解水及び塩基性電解水の中和反応から電気を取り出せる仕組みを実験的に証明し、それを実現可能な素子の基本構造を確立させることができた。 【発電メカニズムの解明】本素子の起電力の大きさは酸性電解水及び塩基性電解水間の水素イオン濃度差で支配されていることを明らかにした。本研究で試作した単一セルで最大電圧約0.6 V程度(理論値の約72%)を実現した。 【出力の制御】電解水間に設けられた複合隔離膜の構造及び照射する光の量によって中和反応の速度が制御され、出力電流量の調節が可能であることを実験的に示した。 【特性劣化の原因解明】電解水の中和反応とともに生成された中和水の蓄積により、素子の内部抵抗が増加し、経時的な出力特性の低下原因になることを明らかにした。 【副産成果】多元系化合物半導体における異相の選択的な除去処理に酸性または塩基性電解水それぞれが異なる反応性を示していることが確認され、単相化合物の合成に有効活用できる可能性を見出した。
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