2017 Fiscal Year Research-status Report
都市のコンパクト化による交通行動の変化を考慮した運輸部門CO2排出量推計モデル
Project/Area Number |
16K16230
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
有賀 敏典 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会環境システム研究センター, 研究員 (80585844)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 流動人口統計 / 交通行動 / 自動車CO2 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市のコンパクト化により乗用車 CO2 排出量がどれだけ削減できるか試算できる説明力の高いモデルの構築が課題となっている.また,ビッグデータやWeb-GISといった新しいデータや手法を適用したモデルにも注目が集まっている.本研究では,ビッグデータ,Web-GISベース交通行動シミュレーションを用いた『交通行動を明示的に示した乗用車CO2 排出量推計モデル』の構築・適用・検証を目的とする.研究項目としては,(1)ビッグデータを用いた乗用車 CO2 排出量モデルの構築,(2)将来夜間人口分布シナリオへのモデル適用,(3)交通行動シミュレーションを用いた交通行動変化の検証である. 本年度は,昨年度に引き続き「1. ビッグデータを用いた乗用車 CO2 排出量モデルの構築」に取り組み,昨年度試作したモデルの改良を試みた.まず分布交通量に関して,エントロピーモデルの利用に切り替えることで,改善可能性を探索した.具体的には,携帯電話の位置情報をベースとした全国の時間帯別メッシュ人口から,エントロピーモデルを用い,時間帯別のメッシュ単位 OD 交通量を推計するモデルの構築を試みた.その結果,昨年度の暫定モデルに比べ,精度の向上が確認できた.また交通手段分担については,NITASを利用した分担率の推計を試みた.都市間移動の精度に課題が残るものの一定の成果を得た.さらに,1 日のトリップの連続性(トリップチェーン)を考慮できるモデル構築について検討した.計算量が多く広範囲で適用するには工夫が必要であるものの,概念を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり,昨年度の試作モデルの改良を行うことができており,流動人口統計を用いたモデル構築が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
交通手段分担およびトリップの連続性(トリップチェーン)を考慮できるモデルの構築を続けるとともに,(2)将来夜間人口分布シナリオへのモデル適用,(3)交通行動シミュレーションを用いた交通行動変化の検証について取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
学会開催地の関係で旅費が当初予定よりも少額になった.一方で,次年度は旅費が当初よりも多くかかる見込みであるため,次年度使用額が生じた.
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Research Products
(3 results)