2018 Fiscal Year Annual Research Report
Factors affecting Policy Change of Lake Biwa Conservation
Project/Area Number |
16K16241
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
平山 奈央子 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (30623847)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 政策過程論 / 水資源開発 / 琵琶湖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,工業排水や家庭排水による水質汚濁や外来種による生態系への被害などが顕在化し始めた1970年から2015年までの琵琶湖流域の水資源政策に関する議論の変遷について定量的に明らかにすることを目的とした。 まず,対象期間の滋賀県議会会議録の全議題数における水資源政策に関する議題数およびその割合を確認した.その結果,開催された滋賀県議会の全議題数11,272件(知事の提案説明,各関係部長の報告含む)の内,水資源政策に関する議題は3,098件(約27%)であった.また,それら対象となった議題に関する議員,知事,各関係部長による発言回数は全8,557回であった. 全テーマの総発言回数は13,209回であり,30テーマの平均発言回数は440回であった.全テーマのうち多く出現しているテーマは「水質」「河川」「下水道」「琵琶湖総合開発」で,それぞれ1778回,1164回,1086回,1038回であった. 特徴的なテーマとして「水質」について,県議会では1970年より琵琶湖の水質に関して工業排水や家庭排水の影響について発言されていた.このことから県議会で議論されたことで,規制や下水道整備への取り組みが進んでいったと考えられる.淡水赤潮の発生時期について,テーマの変化を見てみると,1977年の赤潮が初めて確認された年はこの年の水資源政策に関する発言が全362回のうち「下水道」テーマに関する発言が95回見られた.これは,赤潮の原因が,当時家庭などで使用されていた合成洗剤だといわれており,下水道整備が充実していなかった当時の状況からこの合成洗剤などを使用した排水が琵琶湖に流入し赤潮が発生し,下水道整備を急ぐよう求める発言が多くなったのだと考える.赤潮の発生が見られなくなった後も「水質」テーマの発言は見られることから,アオコの発生などによる水質問題など発言されていると分かった.
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Research Products
(6 results)