2016 Fiscal Year Research-status Report
コミュニケーションにおける身体同調の可視化システムの構築
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16K16243
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
權 眞煥 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任研究員 (90772020)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コミュニケーション / インタラクション / インターフェース / 身体同調 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではコミュニケーションにおける身体同調のリアルタイム可視化システムの構築を目的とする.具体的には, 身体運動の位相関係より身体同調を可視化するシステムをめざす. そして, その成果を遠隔コミュニケーションや人工知能に応用することを目標とする.そこで權は,過去にコミュニケーションの間「 (ま)」を位相関係により客観的に可視化するアルゴリズムを考案してきた.今年度はこのアルゴリズムを応用しシステムを構築するために,アルゴリズムの有用性の検証およびシステム構築の準備を行った.具体的にはシステム設計のために要件を検討し,仕様を確認して設計案を構築することができた.また身体同調のメカニズムを調べるために空間分離要因と時間分離要因に分けてそれぞれの影響を調べた.その結果,時間分離要因が空間分離要因より身体同調に大きく寄与することが分かった.そして,この成果をAssociation for the Advancement of Artificial Intelligence(AAAI2017)にて発表を行った.現在,必要な機材と基本技術を基にシステム構築を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H28年度はアルゴリズムの有用性の検証とシステム構築に必要な基本技術について検討を進めることができた. 進捗1:システムを構築するためにまず身体同調のメカニズムを解明する必要がある.權は身体同調のメカニズムを調べるために空間分離要因と時間分離要因に分けてそれぞれの影響を調べた.その結果,時間分離要因が空間分離要因より身体同調の生成に大きく寄与することが分かった.この成果は身体同調のメカニズムを初めて解明したこととなり,論文発表を準備している. 進捗2:權は身体同調のリアルタイム可視化システムの構築に必要な基本技術について検討を進めた.具体的には,カメラから取得する加速度データの特徴,リアルタイム表示のための位相関係の分析方法を検討することができた.特に,同調特徴のリアルタイム表示のための案(イベントごとの表示と一定時間ごとの表示)に対する検討をさらに進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度は解明した身体同調メカニズムの成果発表を行い,システム構築と検証を行う.特に,システム実装において海外連携による共同研究を進める予定である. 1.今回解明した身体同調メカニズムの成果を論文誌に発表する予定である.この成果は科学においても工学においても高い応用性のある成果であると考えられる. 2.システム構築と検証,応用のために現在イギリスのLincoln大学のNicola Bellotto氏(准教授,University of Lincoln)と共同研究を進めている.Nicola Bellotto氏は人工知能と人間―ロボットインタラクション,社会行動認識論の専門家であり,身体同調の遠隔コミュニケーション・ロボットへの応用のために定期的ゼミなどの交流を行う予定である.
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Causes of Carryover |
初年度はシステム設計のために要件を検討し,仕様を確認して設計案を作成することができた.設計案を作成するために,既存の研究を進めるために購入していた備品で予備実験をしながら必要な要件と仕様を確認した.またシステム設計のために要件と仕様を検討しながら身体同調のメカニズムを解明する実験を行った.明らかになったメカニズムを国際学会に発表し,論文執筆を進めている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度はシステム設計のために要件と仕様を検討し,設計案を作成したので,H29年度から構築を進めている.特に,加速度を取得するために時間分解能の高いカメラを購入する予定である.また,現在はUniversity of LincolnのBellotto氏と連携を進め,權が考案したアルゴリズムをソーシャルロボットに実装することを企画している.
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