2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Research of Multiple Measurements for Influences that an Impression of the Illuminated Space is Affected by Color Temperature and Irradiation Position
Project/Area Number |
16K16247
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中島 瑞季 東京電機大学, システムデザイン工学部, 助教 (30634175)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 照明環境 / 色温度 / 照射位置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は人の概日リズムを考慮し,生活リズムが異なると照明空間とその行為に対する印象に与える影響も異なるのか,評価語を使用した主観評価と,唾液アミラーゼ濃度,注視点計測を使用した客観評価から多面的に評価を取得して検討を行い,空間での行為に対する照明のふさわしさと文脈依存性の相互関係を明らかにすることを目的とした. 実験に際して,被験者の生活リズムをアンケートから把握することで,異なる生活リズムを持った被験群を設定した.また人の概日リズムの指標を体温とし,体温は起床時数時間前に最低となり夕方に最高となる概日リズムがあると言われていることから,全被験者に対して同日朝10時と夕方18時に計測を行うことで,概日リズムを考慮した印象評価結果を取得した. 評価対象は,色温度2種類と照射位置2種類を組み合わせた照明条件を演出できる照明装置を制作し,不快感を与えない空間を設定した. 多面的評価については,実験開始前に被験者の唾液アミラーゼ濃度を計測し,空間観察開始から注視点計測を行った上で,空間での行為に対して照明がふさわしいか,形容詞に対する 5 段階評価をアンケートから取得した.また実験後に再度唾液アミラーゼ濃度を計測した. この結果から,空間に対する主観評価については朝と夜で印象が変化し,その内容は色温度と照射位置の組み合わせによって異なることがわかった.また人の生活リズムが異なれば色温度に対する印象が異なった傾向を示すこともわかった.さらに評価中の視線においては,色温度の種類によって顕著な違いは確認できなかったが,照明空間を評価する際には空間内に置かれたモノのエッジからなる陰影と光が特に当たっている面が多く注視される傾向があったことから,照射位置を変えることで異なった表情を見せる陰影は,照明空間の印象に対して影響を与えることが示唆された.
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