2017 Fiscal Year Research-status Report
フレイルと脳老化の進展に影響する社会環境・生活因子の解明
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16K16251
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
荻田 美穂子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00455031)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレイル / 認知機能 / 社会環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28~29年度は地域高齢者の4年間の認知フレイルの推移を記述することを目的にA町在中高齢者へ基本チェックリストを含めた生活実態に関する悉皆調査を郵送もしくは訪問にて行った。その後、平成25年に実施した同対象のベースラインデータを突合し、フレイルの推移が検討可能なデータベースに構築した。 ベースライン調査時点でのA町在中高齢者5401名(要介護認定者除く)を対象に調査が行われ、各調査での応諾率はベースライン調査時94.3%、追跡調査時81.5%であった。さらに、両調査ともに回答した者は3829名であった。そして、それらのデータを用いて、ベースライン調査時点で非フレイルかつ追跡調査時点で非フレイル(ロバスト維持群)・ベースライン調査時点で非フレイルかつ追跡調査時点でフレイル(低下群)・ベースライン調査時点でフレイルかつ追跡調査時点で非フレイル(改善群)・ベースライン調査時点でフレイルかつ追跡調査時点でフレイル(フレイル維持群)の4区分に分類し、それぞれの割合を全体および年齢階級別に算出した。認知フレイルの推移は、ロバスト維持群49.9%、低下群18.1%、改善群12.4%、フレイル維持群19.6%を占めた。さらに、年齢階級別では、低下群の割合は年齢階級が上がると高くなり、一方で改善群の割合は年齢階級間で同程度であった。 以上のことより、認知に関して、2割弱の方がフレイルに近づくということが明らかとなった。今後はこれらアウトカムに影響する因子を抽出していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の調査が平成29年度に跨って実施することになったが、平成29年度中に終了した。また、平成30年度に新規調査を予定しているが、その準備のためのプロトコール作成等も同時進行させることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた地域高齢者データベースを用いて、4年間で認知フレイルにいたる因子を抽出していく。さらに、平成30~31年度は、生活習慣病外来に通院中の高齢者を対象に客観的指標を用いて認知機能評価を行い、認知機能の変化に影響を与える生活・環境因子を同定していく。
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Causes of Carryover |
本年度は産前・産後休暇を取得したため、学会への参加を自粛した。そのため、成果報告のために計上していた旅費や論文校閲費が繰り越された。次年度は次年度予定の新規調査に加えて、本年度で得られたデータからの成果報告も合わせて行っていく。
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