2018 Fiscal Year Research-status Report
フレイルと脳老化の進展に影響する社会環境・生活因子の解明
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16K16251
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
荻田 美穂子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00455031)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレイル / 認知機能 / 社会環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地域高齢者と生活習慣病外来に通院する高齢者の2つの集団を対象に、社会環境・生活因子に着目してフレイルおよび脳老化に影響する要因を明らかにするものである。平成28年度から平成29年度においては、死亡や要介護の前段階であるフレイルに至る状況を明らかにする目的で要介護認定を受けていない地域高齢者の4年間のフレイルの推移について認知を中心に検討した。結果、運動は約1割、認知は2割弱の方がフレイルに近づくということ、一方で、同割合の方が4年前にフレイルな状態であっても、4年後に改善と認めることが明らかにした。今後は、予防的介入のための低下および改善要因を検討していく。また、平成30年度から平成31年度にかけて生活習慣病を有する高齢者の脳老化の進展を抑制する因子を社会環境因子および生活因子に着眼して抽出することを目指している。 そこで、平成30年度は、一大学病院の糖尿病外来に通院中の患者に対して、主観的および客観的指標を用いたフレイルの実態および療養や生活にかかるアンケート調査を計画した。平成30年11月に倫理委員会の承認を得、12月より対象者の選定および同意取得を開始し、平成31年1月より調査を開始した。対象は、平成25年に同施設で「血糖管理と生活の質(QOL)に関する調査」に参加したものとし、外来受診時に同意取得を行い、同意が得られた調査対象者に対して、生活や療養に関する自記式質問紙を手渡し、次回外来受診日に持参してもらうよう依頼した。回収の際は、不備や欠損項目の有無について調査員が口頭で確認した。また、血圧測定や筋力、バランス、認知機能の測定を合わせて実施した。現在、対象ケース485名中、同意取得者280名、同意拒否者8名、同意撤回者2名、転医などの理由で同意取得不可者167名、同意未取得者28名である。また、アンケート回収および測定は230名まで終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査は平成30年12月から開始し、約半年を予定している。多くのケースが月1回の頻度で外来に来ているが、中には3ヶ月もしくは6ヶ月に一度の受診ケースがあり、対象者に対してリクルートできる機会が少ないケースを認めることが予測された。そのため、調査期間は長めに設定し、おおむね予定期間で調査が終了できる予定である。また診療録で経過を遡って取得できる点やベースラインデータの活用により縦断的評価も行える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は昨年からの調査を引き続き6月まで実施する予定である。また、同時に診療録データの抽出を行う予定である。その後、各データを突合して解析可能なデータベースを作成し、認知機能の経年変化の記述や認知機能に影響を与える生活・環境因子を同定する解析を行なっていく。
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Causes of Carryover |
調査は1ケース約1時間をかけ、また安全確保のため2名以上の調査員で行なっているため、多くの謝金を計上していた。調査が外来患者の受診頻度の関係上、6ヶ月と長めにとる必要があったことと、調査フィールドの都合上開始時期が1月からとなった。そのため、調査期間が年度を跨ぐことになり、次年度調査員の謝金分を繰り越した。
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