2016 Fiscal Year Research-status Report
父親の子育てを介した人間関係の広がりが家族に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
16K16252
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
田辺 昌吾 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (00512831)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 父親 / 人間関係 / 保育現場 / 子育て支援 / 家族関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、保育現場を介した父親の人間関係の広がりが父親自身、母親、子どもにどのような影響を及ぼすのかを検証することにある。 今年度の研究内容は、まず父親支援に関する文献検討や保育現場における父親支援の実態調査(園行事の参観、保育者への聞き取り)から、保育現場における父親同士の人間関係構築のための支援の実際について把握した(一部内容を論文化、発刊済)。その内容を踏まえつつ、今年度の中心的内容として、A認定こども園に通う父母を対象とした質問紙調査を6月と3月の2度実施し、保育現場を介した父親の人間関係の広がりの実際とその効果について検討した。現在、2度の調査を合わせた縦断データとしての解析は進行途中であるが、6月調査の結果としては、園を介した父親仲間(パパ友)のいる父親は全体の約4分の1である(母親のママ友関係は3分の2の母親であり)、パパ友(ママ友)の有無について父母間(夫婦間)の関連がある、父親同士の人間関係は母親のそれと比べて表面的なつきあいである、パパ友のいる父親は保育への参画意識が高い、などが示された(結果の一部を平成29年5月の日本保育学会にて報告予定)。次年度はさらに調査結果の解析を進めるとともに、その内容を踏まえて、調査対象園を増やしてより大規模な質問紙調査を実施する予定である(調査協力園と日程等調整中)。 さらに今年度は、父親の人間関係の広がりが子どもに及ぼす影響を検討するための一段階として、子どもの人間関係力を如何にして指標化するかについて、先行研究や幼稚園教育要領等の改訂過程の議論から検討を行った(一部内容を論文化、発刊済)。この内容については次年度も引き続き検討し、検討結果を質問紙調査に反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の概観や保育現場の実態調査を踏まえて、同一園での縦断調査(質問紙調査)を実施し、一部解析結果が得られている。研究内容に関して、2本の論文を発刊し、1本の学会発表を予定していることからも、概ね計画通りに進行していると言える。 また次年度の調査に向けて、調査対象園を選定し、調査実施に関する調整も行えていることから、次年度の調査も計画通りに実施できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施した調査結果の解析を進め、一定のまとまりが得られた段階で関連学会(日本発達心理学会等)において報告する。また解析結果を踏まえて質問紙の内容を再検討し、新たな調査対象園を含めた大規模調査を実施する(平成29年6月および平成30年3月の予定)。 また、理論と実践の融合として、得られた結果を保育現場にフィードバックするとともに、父親が参画するイベントに積極的にかかわりをもつ。
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Causes of Carryover |
質問紙調査に係る印刷費、郵送費、データ処理費が予定より低額で実施できたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初2年目に計画していた質問紙調査の規模をより大きくし、調査実施に係る費用として執行する。また、先進的な父親支援実施園への訪問調査を増やし、その調査実施に係る費用として執行する。
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Research Products
(2 results)