2018 Fiscal Year Research-status Report
父親の子育てを介した人間関係の広がりが家族に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
16K16252
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
田辺 昌吾 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (00512831)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 父親 / 家族 / 保育現場 / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究内容は、まず昨年度に共編著者として出版した書籍『家族・働き方・社会を変える父親への子育て支援』の内容をもとに、日本保育学会第71回大会において、自主シンポジウム『父親を支える子育て支援、社会の構築-ポストイクメン時代へのアプローチ-』を開催し、企画者および指定討論者として登壇した。4名のシンポジストおよびフロアの参加者と活発な議論が展開され、研究を進めていく上での多くの示唆を得た。 また、家庭支援や地域連携において先進的な取り組みを行っている広島県A幼稚園、東京都B認定こども園、大阪府C認定こども園を訪問し、施設見学を行うとともに施設長への聞き取り調査を実施した。調査の結果、子どもの安全面の確保という点で日常の保育と家庭との連携(保育内容の伝達)は密接なつながりがあること、掲示物などの保育環境を通した保護者への支援が効果的であること、保育者がどのような保護者観をもつか(支援対象と捉えるのか、パートナーと位置付けるのか)が家庭支援や地域連携の具体的取り組みに影響すること、などが明らかとなり、次年度に実施する質問紙調査の内容の検討に活かされた。 さらに、研究内容の社会還元の一つとして、O市立男女共同参画センター主催地域子育て支援者対象研修『子育て支援拠点における父親支援について』の講師を務めた。地域子育て支援拠点のもつ特性を活かした父親支援について理論と実践の両面からアプローチし、参加者からは高い評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前々年度に実施した同一園での縦断調査(2度の質問紙調査)の結果、園を介した父親の人間関係の広がりが当初予測していたものよりも小さいことが明らかとなり、調査設計の再検討が必要となった。今年度、2度の質問紙調査を実施する予定であったが、施設訪問調査から得られた知見を質問紙調査に反映させる過程に時間を要し、また複数の調査対象園との調整が難航し、同時期に調査を実施する目処が立たなかったため調査実施を延期せざるを得なくなった。そのため研究計画より進度が遅れることとなった。 次年度実施する質問紙調査の内容の検討は概ねできており、調査対象園との個別の調整も済んでいることから、次年度中に2度の質問紙調査を実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
前々年度に実施した調査結果を論文化し、大学紀要等に投稿する。 また、今年度実施を延期した質問紙調査を年度内に2度実施し、研究全体の仮説検証を行い、得られた結果を保育現場にフィードバックする。 さらに、研究内容の社会還元の一つとして、保育現場や子育て支援現場の研修講師を務めるとともに、父親が参画するイベントに積極的にかかわりをもつ。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の実施を次年度に延期したため、調査実施に係る印刷費、郵送費、データ処理費等が未執行となり、次年度使用額が生じた。次年度、質問紙調査を実施するとともに、先進的な取り組みを行っている施設への訪問調査を実施し、未使用額を執行する。
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Research Products
(1 results)