2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study Regarding the Influence Between Families and the Expansion of Relationships Through Child-Raising by Fathers
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16K16252
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
田辺 昌吾 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (00512831)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 保護者 / 父親 / 家族 / 保育現場 / 地域コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究内容は、父親支援や地域連携において先進的な取り組みを行っている千葉県A保育園、広島県B幼稚園を訪問し、管理職(園長、副園長)に聞き取り調査を実施した。その結果、得られた主な知見は次の5点であった。 1)A保育園では「おやじの会」活動が30年以上続いているが、家庭や地域の変化に応じて、会の運営にも変化が求められている(かつては父親のみの参画で活動が展開できていたが、現在は父子で活動する内容が中心となっている)。2)保護者が園と接点をもつことの効果(園側のねらい)は、「子育てを一人(各家庭)だけで担わなくてよい」「頼り頼られながら行うのが子育てで、それが子どもの成長にもつながる」と、保護者が認識するようになることであり、そのことによって、豊かな子育てコミュニティを形成できる。3)保護者が子どもの成長を確認しやすいのが園行事であり、子どもの立場からは親だけでなく他の保護者とかかわり、その人たちから認められていると実感できる良さがある(社会の中で生きていると感じられる)。4)保護者とのかかわりにおいては、保護者の「子ども理解」を促すことが重要であり、個人内での多面性(場所や相手によってさまざまな姿を見せる)と個人間での多様性(一人ひとりに個性がある)を日常の保育や行事の機会を通して伝えている。5)保護者の子どもを見る視点(子ども観)を子どもの存在を尊重するものにしていくためには、園(保育者)の子どもを見る視点(子ども観)を共有したり、他の保護者などとさまざまな関係性を築いていくことが重要である。 また、保育者や研究者等によって構成される「保育と仲間づくり研究会」において、上記の知見を踏まえて「園を核とした子育てコミュニティの形成について」と題した研究発表を行った。 ※年度末に実施予定だった保育現場を対象とした質問紙調査は、新型コロナウィルス感染症の影響により中止した。
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