2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者が暮らす居宅の温熱環境が血圧・認知機能に及ぼす影響に関するフィールド研究
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16K16254
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
小川 まどか 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90626532)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 睡眠 / 寝室の環境 / 血圧 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者の居宅の温熱環境が睡眠や血圧、認知機能といった健康指標に与える影響を検討するものである。睡眠は、食事や運動といった生活習慣と同様に、ひとが健康を維持するために重要な役割を果たす要因である。睡眠は寝室の環境をどう作るかということと関わりが大きい。質の高い睡眠の確保を可能にする温度や湿度などの環境づくりの要素を明らかにすることは、高齢者の日常生活におけるQOLの向上に寄与すると考えられる。 そこで、2017年度と同様に、2018年度には地域在住高齢者の寝室環境と睡眠との関係を広く把握するための郵送による質問紙調査を実施した。対象者は、地域在住高齢者長期縦断疫学研究(SONIC研究)において、兵庫県と東京都に居住する76歳から78歳までおよび85歳から87歳までの男女593名であり、回答は398名から得られた(回収率67.1%)。調査内容は、寝室を中心とする居宅の環境調整の方法と環境への主観的評価、ピッツバーグ睡眠質問票日本版を含む睡眠の量や質、人生満足度、感情的well-being等であった。 収集したデータの一部を解析した結果、寝室においてエアコンやファンヒーターといった室内に気流を生じさせる機器で温熱環境を調整した場合、睡眠の質が有意に低い結果が得られた。2018年度の調査の実施が計画より遅れたため、現在は2018年度に収集したデータの整理が継続中となっており、2017年度のデータと結合させて解析を続ける。また、調査協力者に結果をフィードバックするためのリーフレットを作成することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度の質問紙調査の実施が、内容の調整等のために5か月遅れでの実施となった。これに伴い、全体的に遅れが発生し、データの入力およびクリーニング、データ解析、協力者へのフィードバック等の作成にあたっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は延長期間を活用し、2018年度調査データのクリーニング、解析、協力者へのフィードバックの作成を早急に行う。加えて、2017年度分と2018年度分のデータを統合し、全体での解析を行うことを目指す。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の実施が遅れたことに伴い、協力者へのフィードバックの作成にかかる費用および送付が2019年度に行うことにせざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)